2004 Fiscal Year Annual Research Report
プログラム評価のための計量的手法の応用-日本の家計個票データを用いた分析-
Project/Area Number |
16530174
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
井伊 雅子 一橋大学, 大学院・国際企業戦略研究科, 教授 (50272787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
縄田 和満 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00218067)
澤田 康幸 東京大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (40322078)
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Keywords | 女性労働供給 / 賃金関数 / ヘックマンの2段階推定法 / 日本女性 / 同時最尤推定量 |
Research Abstract |
女性賃金水準や就業行動の影響の分析は、今後の労働政策を考える上で非常に重要な問題である。例えば、専業主婦優遇の諸制度が女性の労働供給行動に与える影響の分析は、税制改革や年金改革においても大きな関心事であり、国際的にも、Gronau(1974)やHeckman(1976,1979)以来、多くの研究が行われてきた。また、我が国においても、女性の賃金水準が女性の就業行動に与える様々な分析が、最近では個票データを用いて行われるようになっている。しかしながら、これまでの研究では、モデルの推定に関して十分な検討が行われてきたとはいいがたい。なぜならば、通常女性の就業行動の分析で用いられるHeckmanの2段階推定法やプロビット法などでは、推定量に問題があるからである。 本研究では、従来の推定方法と、就労関数と賃金関数の同時最尤推定法との両方を用いて女性の就業行動を分析した。就労関数に関しては、従来の方法に比較して、賃金の係数の推定値が大きく異なった。その標準誤差は小さくなり、賃金の就労確率に対する影響の的確な評価を可能にしていると考えられる。賃金関数に関しては、従来の方法と比較して、経験年数の影響が大きくなった。また、特にHeckmanの2段階推定法に比較すると、各係数の標準誤差は小さくなった。これは同時最尤推定量が漸近有効推定量であるためであり、本研究で提案した推定法の有用性を示していると考えられる。
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Research Products
(3 results)