2005 Fiscal Year Annual Research Report
体制転換プロセスにおける対外直接投資のインパクトと外資企業のガバナンス
Project/Area Number |
16530192
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
池本 修一 日本大学, 経済学部, 教授 (50287570)
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Keywords | 対外直接投資 / 企業統治 / 産業構造 / 移行経済 / トヨタ生産方式 / EU東方拡大 |
Research Abstract |
標記「体制転換プロセスにおける対外直接投資と外資企業のガバナンス」に関して,チェコを中心として,ポーランド,ハンガリーの対外直接投資に関して,現地資料など国際機関発行資料に加え,現地調査を実施して,上記3カ国の体制転換プロセスの到達度を比較検討する目的で本研究プロジェクトを実施した。今年度はチェコに絞り、トヨタ、デンソー、コイトなどトヨタとその関連企業を中心に現地にて聞き取り調査を実施した。各企業共通して、日本的経営(トヨタ生産方式)が問題なく浸透していること、トヨタのカンバン方式維持のために関連企業との連携が順調に進展していることが指摘できる。また負の面では、チェコ特有の問題として労働者の欠勤率が高いことがあげられる。各企業とも10数パーセントと他の中欧諸国に比べて2倍ほど高くなっている。こうした問題を解決するために、報酬に皆勤手当てを加えるなど工夫をしているが、医療補助金が政府から支給されることがこの問題の原点にあると思われる。以上のようなトヨタおよびトヨタ関連企業の問題に関して、詳細に調査を行った。これらの成果は、(社)ロシア東欧貿易会の調査報告書『EU拡大と中欧諸国における機械産業・外資の進出動向』に執筆したほか、現在、西村可明編『グローバリゼーションと体制移行の経済学』文真堂(近刊)第7章「チェコの市場経済化と外国直接投資」を準備中である。同時にPalgrave Macmillanより中欧・ロシアの専門家による移行国の直接投資の書籍刊行の準備を進めている。 17年度の研究を通じてトヨタおよびトヨタ関連企業のものづくりのコンセプトがどのようにして中欧諸国に浸透しているかに関して強い関心を持つようになったため、18年度はこの点を中心に研究を進めていきたい。
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Research Products
(2 results)