2005 Fiscal Year Annual Research Report
水俣病事件史におけるチッソ労使関係と企業発展の軌跡に関する研究
Project/Area Number |
16530198
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Research Institution | Kumamoto Gakuen University |
Principal Investigator |
花田 昌宜 熊本学園大学, 社会福祉学部, 教授 (30271456)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒巻 政章 熊本学園大学, 商学部, 教授 (80159251)
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Keywords | 労使関係 / 水俣学 / 労働組合 / チッソ / 組合文書 / 水俣病 / 労働争議 / 企業経営 |
Research Abstract |
本研究は、水俣病発生原因企業チッソの企業の特質を労使関係の面から明らかにし、負の遺産としての水俣病事件の解明に社会科学から貢献することを課題とする。 本年度は、昨年に引き続き、新日窒労働組合に保存されている組合結成(1950年)以降現在に至るまでの資料の整理収集、ならびに関係著からのヒアリングの実施を課題としていた。熊本学園大学では、2005年8月、水俣市内に水俣学現地研究センターを開設し、組合資料は一切、当センターに移管された。年度前半は、昨年に引き続きコンテナに分類整理し、移管のための準備を行った。組合事務所の閉鎖にともない、所蔵庫のみならず、倉庫などにしまわれた文書類も発見され、総数400箱を超える量であった。9月より、資料整理作業を再編し、所蔵資料の簿冊単位での整理ならびにカード化作業を行った。 また、労働組合記念写真集の編纂に協力し、その過程ならびに、刊行後、退職組合員から、水俣及び東京で、50年代ならびに60年代の労使関係のヒアリングを行った。ヒアリングの成果は、ICレコーダーで録音され、順次トランスクライブしている。この作業は、今後も継続される。なお、関連資料の収集ならびに分析に必要な文献を購入した。 一方、労使関係と企業財務との関係に関しては、醍醐聡の日本航空における労使紛争と会計情報に関する研究(『労使交渉と会計情報』白桃書房2005)触発され、組合保存資料を活用しながらチッソにおける労働争議と財務諸表の分析に着手した。ただし、組合資料の整理が完成していないことから、次年度も順次、資料を活用しつつ分析を継続していくものとする。
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Research Products
(5 results)