2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16530200
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Research Institution | Otaru University of Commerce |
Principal Investigator |
大矢 繁夫 小樽商科大学, 商学部, 教授 (40125513)
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Keywords | ドイツの金融 / 信用創造 / 銀行資産 / 金融システムの信認 / 銀行監督 / 預金保護 / 最後の貸し手 / 銀行改革 |
Research Abstract |
1.本研究の第1の目的は、「ドイツの商業銀行が信用創造機能を展開するとともに自身の内に抱え込む信認不安定性の基礎を明らかにする」ということであったが、本年度(平成16年度)の研究実施計画は、この目的に向けて、ドイツの銀行に関する計数分析を行うことであった。このための各種データの収集と分析は、一定程度果たすことができた。しかし、諸データを分析するに際して最も重要なことは、銀行資産の質の吟味ということであり、この場合、いわゆる「生産物流通金融」を表す資産か否か、したがってまた中央銀行による流動化の対象資産となるかどうか、という銀行資産の質の吟味についての理論的基準如何という問題が浮かび上がり、この問題の重要性を新たに掴まえることができた。このことは、内外の文献の検討をとおして得られたより重要な成果であり、新たな知見の獲得であった。 2.本研究の第2の目的は、ドイツの銀行の「不安定性を免れない信認を外部から支えるべく必然化する諸方策を追う」ということであるが、この目的にとって有益な内外の文献を一定程度収集でき、その検討・分析に着手することができた。ここでは、ドイツの金融システムをめぐる制度改革が、停まることなく進展しているその実態を認識することができた。 3.各国の銀行や金融システムに関する国内の研究会に2回(大阪、東京)参加することができ、ドイツ金融システムやヨーロッパ金融に関する研究者から、直近のドイツの銀行を巡る動きについて有益な知見・情報を得ることができた。
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