2007 Fiscal Year Annual Research Report
ドイツ統一後の財政問題-統一の財政的帰結と東西財政力格差の現段階
Project/Area Number |
16530213
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
武田 公子 Kanazawa University, 経済学部, 教授 (80212025)
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Keywords | ドイツ再統一 / 第二次連帯協定 / ドイツ自治体財政 / 東西格差 / ハルツIV改革 / 社会都市 / 財政調整 / 連邦補充交付金 |
Research Abstract |
採択課題最終年度としての本年度の研究は、東西の自治体財政力格差の現状やこの間のハルツIV改革が東部地域にもたらした財政負担問題を改めて分析し、東部地域の将来的なキャッチアップの可能性を総括することを課題とした。その成果は以下の諸点にまとめられる。 第一に、東部における担税力の弱さゆえに、州間財政調整と連邦補充交付金を通じた東部州への一般財源移転の規模はなお増加傾向にあり、2020年以降も完全にイコールフッティングな州間財政調整は実現不可能ではないかと考えられる。すなわち連邦補充交付金は引き続き一定の役割を果たしていくこととなろう。 第二に、しかし東西格差問題は長期的には「格差一般」の問題へと解消していく、という点に第二次連帯協定の含意がある。こうした方針の下で、例えば第二次連帯協定の第二バスケットに見られるプログラム補助金については、東部に焦点化したものから西部地域の構造弱体地域をも対象としたものに転換が図られてきている状況がうかがわれる。すなわち、特定財源の配分に関しては対東部への限定性を弱めつつあるといえる。 第三に、05年から施行されたハルツIV改革が東部自治体により大きな財政負担をもたらす結果となった。これは高失業をはじめとする東部の社会経済構造上の固有の問題にも規定されているが、この問題を放置すれば、長期的には東部の成長を阻害していく懸念もある。「社会都市」プログラムに見られるような、地域に根ざした都市再生の取り組みが、長期的にみれば東部地域の堅実な成長を支えていくのではないかと考えられる。
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Research Products
(3 results)