2005 Fiscal Year Annual Research Report
地価と金利の不確実性下におけるCMOの合理的価格モデル構築
Project/Area Number |
16530218
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
岸本 直樹 法政大学, 経営学部, 教授 (50241766)
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Keywords | 証券化 / CMO / MBS / RMBS / オプション理論 |
Research Abstract |
研究計画書で記したように、本研究の目的は、地価と金利が確率的に変動する不確実性の下で、CMOの合理的価格モデルを構築することにある。 さて、研究計画書に記した本年度の研究計画に着手した後、経済的意義の高いCMOモデルを構築するためには、地価が繰上げ返済やデフォルトに及ぼす影響についてより詳細な検討を加える必要があることに気がついた。なぜなら、一般に、オプション理論を用いたmortgage backed securities(MBS)の既存研究においては、住宅ローンの抵当になっている不動産の価値が住宅ローンの元本を下回ると、デフォルトが発生するというメカニズムを導入して、地価がMBS価格に影響する経路を構築している。しかし、Kau et al.,"A Generalized Valuation Model for Fixed-Rate Residential Mortgages," Journal of Money, Credit,and Banking,24(3),279-299のシミュレーション結果を詳細に分析すると、デフォルトに対する保険を加えた住宅ローンの価値は、保険の価値が地価の変動に応じて上下するため、感応的ではなくなる。むしろ、住宅ローンの繰上げ返済については、地価が大きく下落したとき、担保不足のため借換えができないというメカニズムの方が、重要なファクターになっている可能性がある。 そこで、本年度においては、この点について昨年度読んだ論文の一部を再検討すると伴に、より広範囲な文献検索を行って、この点に関連した論文を集め、精査した。そして、これらの既存文献の検討を踏まえて、昨年度構築した理論モデルの中の、繰上げ返済が生じる境界条件に本研究独自の工夫を加え、モデルの改善を試みた。
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