2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16530220
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
白木沢 旭児 北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (10206287)
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Keywords | 日中戦争 / 貿易 |
Research Abstract |
資料調査は、外務省外交史料館、国立公文書館、国立国会図書館、一橋大学、東京大学、横浜国立大学、大阪商工会議所、京都大学、大阪市立大学、小樽商科大学などを対象に重要な文書・文献を閲覧・複写した。また、輸出組合機関紙類を購入した。 分析は、第一に、貿易政策の背景を知るために、第三国貿易と円ブロック貿易の競合関係に着目し、日満経済懇談会、東亜経済懇談会の議事録を分析し、論文「日中戦争期の貿易構想」(『道歴研年報』第6号、2006年)、「日中戦争期の東亜経済懇談会」(『北海道大学文学研究科紀要』第120号、2006年)として発表した。第二には、池田蔵商相期の輸出振興策の形成過程とその政策効果について分析し「日中戦争と貿易政策」という題名で口頭報告を行い(政治経済学・経済史学会北海道部会、2006年12月16日)、原稿は科学研究費報告書に収録している。第三には、日満交通路におけるいわゆる「北鮮ルート」に着目し、北陸3港(新潟・伏木・敦賀)の貿易取扱量がどのように変化したのか、当初企図されていた「日本海の湖水化」は果たして実現したのか、いわゆる「裏日本」地域の経済的な後進性は克服に向かったのか否か、という点を検証した。口頭報告は福井県史研究会(2007年2月3日)にて行い、原稿を科学研究費報告書に収録している。第四に、戦時期の札幌市における会社設立動向を分析し、「戦時期札幌の会社について」(『札幌の歴史』第51号、2006年)として発表した。 このほか、原稿執筆には至っていないものとして、(1)貿易省設置問題、(2)中国大陸における長期建設、がある。特に、(2)については、日本国内で所蔵されていう文献・文書も膨大であり、あらためて資料収集を継続するとともに、分析は時間をかけて行いたい。
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Research Products
(3 results)