2004 Fiscal Year Annual Research Report
イギリス造船機械産業における管理革新・標準化の試みとその日本への影響に関する研究
Project/Area Number |
16530222
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小野塚 知二 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (40194609)
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Keywords | 労務管理 / 標準化 / イギリス造船機械産業 / 管理革新の世界的同時代性 / 技術者団体 / 技術者的合理性 / 日本人技師 / 企業内的背景 |
Research Abstract |
当初の研究計画に即して今年度の研究実績を述べるなら大略以下のとおりである。 まず史料調査については、以下のものを閲覧・収集した。(1)ヴィッカーズ社バロウ造船所の機構改革(1912〜13年)に関する一連文書、(2)技術者団体文書としては、リーヅ機械技師協会(Leeds Association of Engineers)の成立期から第1次大戦期までの文書、および北東部沿岸機械技師・造船技師協会(North-East Coast Institution of Engineers and Shipbuilders)のおもに成立期の文書を、(3)同時代日本側のイギリス観察記録としては、1911〜13年に巡洋戦艦金剛がヴィッカーズ社バロウ造船所で建造されていた時期に造船監督官等の名目で同地に派遣された日本人技師・職工らの出張報告書類(東京大学史料室所蔵平賀文書および三菱重工業株式会社長崎造船所史料館所蔵文書)。当初予定していたバロウ機械技師協会(Barrow and District Association of Engineers)の年次報告書とアームストロング社の工場増設等に関する文書については、現地文書館の受け入れ態勢不備のため今年度は断念し、次年度に回すこととし、その代わりにリーヅ機械技師協会文書を前倒しで今年度収集した。 第2に、産業史、技術史、労務管理史等の分野の最新の研究を渉猟し研究状況を整理した。殊に学内所蔵の確認できない書籍数点については、研究費を支出して購入した。 第3に、ヴィッカーズ社バロウ造船所の1912〜13年の機構改革関連文書を用いた第1次草稿の作成を開始した。文書そのものが膨大で、記載内容の再確認等に手間取っているため、第1次草稿は完成していないが、労務管理史研究会等で報告し、関連分野研究者との研究交流に努めるとともに、労務管理史・労働史の方法について有益な示唆を得た。 なお、史料(3)を用いた予備的な考察としては「日英間武器移転の技術的側面-金剛建造期の意味-」(奈倉・横井編著2005所収)を執筆して発表した。
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Research Products
(1 results)