2005 Fiscal Year Annual Research Report
イギリス造船機械産業における管理革新・標準化の試みとその日本への影響に関する研究
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16530222
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小野塚 知二 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (40194609)
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Keywords | 労務管理 / 標準化 / イギリス造船機械産業 / 管理革新の世界的同時代性 / 技術者団体 / 技術者的合理性 / クラフト的規制との闘い / 企業内的背景 |
Research Abstract |
当初の研究計画に即して今年度の研究実績を述べるなら大略以下のとおりである。 まず史料調査については、以下のものを閲覧・収集した。(1)1912〜13年のヴィッカーズ社バロウ造船所機構改革の背景および外部との関わりを確定するために以下の諸団体の中央およびバロウ地区関係の同時期の文書を収集した。機械産業使用者連盟(Engineering Employers Federation)、同連盟傘下海軍省契約企業部会(Federated Admiralty Contractors' Committee)、汽罐製造工・鉄鋼造船工連合組合(United Society of Boilermakers and Iron and Steel Shipbuilders)。(2)ヴィッカーズ社の全社的な組織調査との関連とバロウ調査の位置付けについて調べるために、ヴィッカーズ本社取締役会議事録、および同本社発信書簡控を閲覧した。(3)バロウの地域的機械技師協会と比較するために、昨年度のイングランド北東部機械技師・造船技師協会に続けて、今年度はスコットランド西部機械技師協会(West of Scotland Engineers' Association)、スコットランド機械技師・造船技師協会(Institution of Engineers and Shipbuilders in Scotland)、グラスゴウ職長機械工協会(Glasgow Association of Foremen Engineers)の文書を収集閲覧した。 第2に、造船業史・機械産業史、技術史、労務管理史、技術者団体史等の分野の最新の研究を渉猟し研究状況を整理した。殊に学内所蔵の確認できない書籍数点については、研究費を支出して購入した。 第3に、バロウ造船所機構改革問題について、草稿の前半部分を完成し、2月28日に開催された比較労務管理史研究会にて発表し、貴重な助言と指摘を得た。
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