2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16530232
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
山崎 志郎 首都大学東京, 都市教養学部経営学系, 教授 (10202376)
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Keywords | 国民更生金庫 / 戦時金融金庫 / 企業整備 / 軍需融資 / リスク分散 / 金融市場 / 経済総動員 |
Research Abstract |
国民更生金庫・戦時金融金庫の内部資料を利用して、戦時期の企業整備政策と重要産業への特殊資金融資の実態を解明した。その要点は、(1)欧州大戦と対外関係の悪化を機に、優良設備への生産集中と劣等設備の廃棄が始まった。(2)企業整備を円滑に実施するため商・工業組合への組織化を進め、業界内の利害を調整した。(3)国民更生金庫を利用して転廃業者の資産処理に特別な優遇措置をとった。(4)残存業者による転廃業者への共助金の原資が国民更生金庫から融資された。(5)一般金融機関からの融資が困難な重要企業に対して、戦時金融金庫が出資引受、融資を行った。(6)戦時金融金庫の融資は、機密性が高い兵器や高いリスクを負った零細な機帆船運航会社など多岐にわたり、金庫がリスクを引き受けることによって一般金融市場のリスクを軽減していた。(7)国民更生金庫・戦時金融金庫ともに、経営は大幅な赤字を計上し、政府損失補償に依存する特殊機関であった。(1)〜(4)については編著書である『戦時日本の経済再編成』(2006年3月刊行)に2本の論文としてまとめた。また(5)〜(7)については、政治経済学・経済史学会関東部会で報告し、18年度内に発表を予定している。 また、論文「経済総動員体制の経済構造」では、従来の研究を基に、物資動員計画、軍需動員計画、生産力拡充計画等の総動員諸計画の相互関係を体系的にまとめ、それが段階的に変容していくプロセスをまとめた。
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Research Products
(4 results)