2004 Fiscal Year Annual Research Report
日本製造業の製品開発競争力を高める企業間ネットワーク構造とプロセスの研究
Project/Area Number |
16530249
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
延岡 健太郎 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (90263409)
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Keywords | 製品アーキテクチャ / モジュール化 / 水平分業 |
Research Abstract |
1.理論枠組み構築 製品アーキテクチャと、商品開発の組織、企業戦略および組織間関係の関係に関する文献を、社会学、産業組織論、戦略論、組織論の分野で網羅的にサーベイし、分析枠組みを構築し、機械学会誌などのジャーナルで発表した。特に重要な点は、インテグラル型製品とモジュラー型製品の違いによって、商品開発に関する組織間関係の戦略のあり方が大きく異なることである。インテグラル型製品における企業間の擦り合わせ能力の重要性はこれまでにも、多くの文献で議論されてきた。本研究の貢献としては特に、モジュラー型製品における、組み合わせ能力の本質や課題を、概念的な枠組みとして提案したことである。 2.定性的調査研究 日本、中国、台湾、および米国の家電・情報機器、産業機器企業を28社訪問し、製品開発における企業間ネットワークの戦略と企業間マネジメントに関する狙いと課題に関する聞き取り調査を行った。特に、パーソナルコンピュータ、デジタルカメラ、DVDプレイヤの製品開発における、日本企業、中国企業、台湾企業の間で構築されている企業間ネットワークの詳細を分析することができた。特に重要なのは、例えば、日本のパソコン企業の多くは設計・開発と製造を台湾ODM企業へ委託し、ODM企業は中国本土で製造するという水平分業体制の役割と課題の深堀ができたことである。台湾のODM企業の役割が明らかになった点が今後の研究にとっても重要性を持つ。また、日本企業は、ODM企業へ委託することによって開発効率は上げているが、中国企業への技術流出および日本企業の開発の空洞化が問題になっていることがわかった。更には、モジュラー型製品における利益創出が困難な状況が、定性的に明確になった。
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