2006 Fiscal Year Annual Research Report
日本製造業の製品開発競争力を高める企業間ネットワーク構造とプロセスの研究
Project/Area Number |
16530249
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
延岡 健太郎 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (90263409)
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Keywords | コモディティ化 / デジタル家電 / 製品アーキテクチャ / 中間財の市場化 |
Research Abstract |
研究計画に準じて研究活動を進め、以下の実績があった。 1.定性的調査研究に関しては、優れた商品を開発・導入しても、コモディティ化(価格低下)につながっている価値獲得(利益獲得)ができない理由について、本年は更に新しい理論的枠組みの構築と事例研究を行った。理論的枠組みとしては、最初に、製品に顧客が製品に対して対価を支払う場合に、顧客にとっての価値を「機能的価値」と「意味的価値」に分解した。次に、機能的価値だけを持った製品であれば、顧客価値の頭打ち現象が起こり、コモディティ化に進展することを事例研究によって示した。一方で、意味的価値を実現できている製品はコモディティ化が進まない事例を議論した。事例研究を通して、意味的価値は、さらに自己表現価値とこだわり価値へ分割できることがわかった。デジタル家電は、特にこだわり価値が小さいために、コモディティ化がおこる事例が多い。技術が発展するに従い、機能が急激に高まるために、顧客がこだわりを持つことが難しくなっている。 2.定量的調査としては、日本、中国、韓国、欧州、米国のデジタル機器関連企業へ向けた質問票調査の設計と、中国におけるテスト調査を実施した。具体的には、質問票を中国語へ翻訳の上、さらに日本語へ翻訳しなおし、中国語が正しいかどうかチェックした。さらに、現地企業にテスト回答してもらい、修正を加えた。質問項目としては、最終製品を開発・製造する際の、垂直・水平分業の政策について、詳細を質問する点が特徴である。
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