2004 Fiscal Year Annual Research Report
企業・事業・取引の評価手法の検討およびモデルの開発-DCF,EVA,デリバティブ-
Project/Area Number |
16530252
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
小山 泰宏 岡山大学, 経済学部, 教授 (10346405)
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Keywords | 企業評価 / 海外投資評価 / 取引評価 / DCF / EVA / 契約評価 / リアルオプション / マーケット・リスクと個別リスク |
Research Abstract |
1.経営財務上のDCF法、EVA法等の位置付けを明確にするため論文を発表した。また、DCF法での海外投資、R&D投資、不良債権評価のベースとなるun-systematic risk(個別リスク)評価につき、主観確率とリスク調整割引率との関連性を検討した。海外投資の資本コストにつき対中国投資を例に実証研究を行い、同時に資本構成・資本コスト、終価、名目・実質ベース評価のモデルも開発した。以上、検討結果は、順次論文を発表予定である。 2.EVA評価に関し、P/L、C/F、B/SからExcelモデルでDCFとEVA計算を行い、相互の異同、互換性につき検証した結果、新規案件評価は同一の評価結果を得るが、DCF法の方が簡便で実務には適している点を確認した。またリース料評価は金利ではなく加重平均資本コストで行う必要がある点も確認した。 3.業績評価に関し、伝統的財務会計手法のみならず、EVAでも先行投資部分の費用の期間配分で問題があり、将来のC/Fを考慮した経済的(economic)償却費・収益の考え方での評価につき、実務面での適応可能性も視野に入れ検討中である。 4.Real Opticonに関する文献を見直し、二項分布およびB&S評価モデルを作成し、相互の関連につき検討した。Volatilityの見積りは、ヒストリカル・データ、上場企業株価、およびリスク分析(モンテカルロ・シミュレーション)の活用を検討した。その結果、(1)売買・保証・合弁契約の歯止策(解除条件、上限設定、撤退条件)のペナルティー額、保証料等の評価モデルを開発し改良中である。また、(2)Real Optionおよび個別リスクの検討結果も踏まえ、VB等のC/Fが不確実な案件の評価モデルを開発し改良中であり、必要ソフト、データも入手し、検討を継続予定である。先渡・先物取引は他のデリバティブに比較し先行文献は少なく自主研究を継続中である。
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Research Products
(2 results)