2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16530254
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
築達 延征 広島大学, 大学院社会科学研究科, 助教授 (50255238)
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Keywords | 企業倫理 / 集団主義・個人主義 / 不祥事 / 組織文化 / 企業文化 / 体質 |
Research Abstract |
本研究においては、企業の不祥事・倫理の崩壊という研究課題に対して、日米企業社会に共通するsyndrome(病理構造)とし、現象学・批判理論・ポストモダンという方法論を用い、理論化した。1997年から1998年にかけて経済システムへの信用が朱墜した日本での事例と2001年から2003年にかけて証券・金融業界への刑事告白が続くアメリカの事例を比較検討する。倫理崩壊のメカニズムを「個人」の問題ではなく、「集団」の理屈が支配する「体質」・「組織文化」・「制度」の問題であるという視点から論じた。具体的には、日本であろうが、アメリカであろうが、企業倫理の問題は、「集団主義的」な病理構造であるという視点から、議論した。 日米企業のスキャンダルに関するメディア・データを照合し、類似性・差異を検討した。昨年度までの研究成果をまとめた論文が、Academy of Management学会での査読審査を通過したため、8月にアメリカ合衆国アトランタ市で開催されるAcademy of Management学会で報告した。なお、その際、日本のメディア・データとアメリカのメディア・データの整合性により抽出されたテーマの妥当性をアメリカの企業倫理の研究者に確認してもらった。資料の収集のため、アメリカの大学図書館に立ち寄った。 アメリカ人研究者による妥当性チェックの後、個人主義・集団主義の文化的カテゴリー化を越えた集団主義的アプローチからの一般理論として理論化する。論文化し、国際学会で発表するため、審査に応募した。その結果、2007年8月にアメリカのフィラデルフィアで開催されるSociety for Business Ethicsで発表することが決まった。
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Research Products
(1 results)