2004 Fiscal Year Annual Research Report
合議における意思決定バイアスの研究:実験経営学的アプローチ
Project/Area Number |
16530257
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
長瀬 勝彦 東京都立大学, 経済学部, 教授 (70237519)
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Keywords | 意思決定 / 集団意思決定 / リスク |
Research Abstract |
この研究は、個人的意思決定と合議決定(複数の人間の合議によっておこなう決定)の間に見られる乖離現象に焦点を当てている。リスクを含む意思決定においては、「選択シフト」現象が知られている。選択シフトとは、個人決定よりも合議決定の方がリスク志向的に振れる「リスキー・シフト」と、逆に個人決定よりも合議決定の方がリスク回避になる「コーシャス・シフト」の総称である。この現象について多くの研究が積み重ねられ、さまざまな仮説が提出された。主要なものをあげると、責任分散説(diffusion-of-responsibility theory)、熟知説(familiarization theory)、リーダーシップ説(leadership theory)、価値説(value theory)がある。最後の価値説は、さらに社会的比較説(social-comparison theory)、集合無知説(pluralistic-ignorance theory)、解放説(release theory)、適正論拠説(relevant-arguments theory)、コミットメント説(commitment theory)の5つに分かれる。多くの仮説があることは、裏を返せば決定的な仮説が存在しないことでもある。われわれは、新たな枠組みでこの現象に取り組んでいるところである。まだ研究は半ばであるが、合議決定のプロセスをビデオや音声を記録して分析したところ、合議決定においては、各選択肢のすべての属性が考慮されるというよりは、主要なごくわずかの属性しか考慮されない傾向があること、また、そのプロセスは非補償的プロセスと補償的プロセスの2段階を踏む傾向があることが示唆されている。ただしこれらは中間段階での仮説レベルの発見である。
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Research Products
(2 results)