2004 Fiscal Year Annual Research Report
視覚障害者のバリアフリー及び高齢化社会向け歩行誘導システムによる福祉型街づくり
Project/Area Number |
16530258
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
岡田 廣司 名古屋市立大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (90326158)
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Keywords | バリアフリー / ユニバーサルデザイン / 視覚障害者 / 高齢化社会 / 歩行誘導装置 / 絵文字タイル / モバイル型音声ガイド |
Research Abstract |
次の3つの課題を中心に研究を進めた。 第1課題は、市場における歩行誘導型バリアフリーシステムの現状調査である。新しいモバイル型歩行誘導システムを、街づくりに導入する場合重要となる、現行設備との段階的な融合策を研究するため、市場における既存の視覚障害者誘導設備の調査である。つまり、本研究のシステムは、新しい絵文字タイルと、障害者が携帯する音声発生装置、電磁誘導機能を備えたE型白杖から構成するモバイル型システムである。現在、既に市場で導入されている歩行誘導装置の機能、技術を分析・把握し、本システムの品質向上や実用化、さらに導入時での融合策を図るための資料とする。「国際福祉機器展」をはじめ、関連の展示会や、(財)鉄道総合研究所、日本道路(株)、日立福祉システムなどの福祉関連企業への調査を進めた。各社とも福祉環境の向上化政策のもと、駅ターミナルや改札口からプラットホームなどへの音声案内装置の導入拡大と共に、品質や技術も改良されている。しかし、これらは固定設置されたシステムであり、視覚障害者自身がその場まで単独で移動できる誘導システムが必要なのである。つまりモバイル機能が必要であり、本研究の重要性が確認された。また、現在の装置は、電波式、電磁誘導式が主流で、さらに赤外線、磁気、圧力センサー式が採用されている。 第2課題は、福祉型街づくりの検討のため、バリアフリー施設が充分行き届いている都市の調査であり、米国ハワイ州の調査を進めた。ハワイは世界的にも観光客が多いので知られているが、その要因の一つに高齢者や障害者に対する福祉型施設の配慮、つまり福祉型街づくりのコンセプトがその基本にある。滑らかな傾斜をもった歩道など、街のいたる所に障害者や高齢者にやさしいバリアフリーへの配慮がある。多くの観光施設では、視覚障害の方をはじめどんな障害の方でも楽しんでもらいたいという考えのもと、介護者が同伴すればあらゆる体験ができるように考えられている。例えば幌馬車乗り、乗馬、また列車やバス観光、登山の場合においても障害者、高齢者への配慮が行き届き・観光施設ごと制限時間なども決められ、障害者などの健康への配慮が考えられている。 第3課題は、視覚障害の方及び福祉関連協会の方への本システムへのヒヤリング及びモニタリング調査である。 本システムはこれまでにない画期的な歩行誘導装置として関心と期待感は高いが、特に視覚障害者の方には新しいものへの不安感は高く、的確に理解して頂くことも重要な課題であることを確認した。
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Research Products
(2 results)