2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16530281
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
石田 成則 山口大学, 経済学部, 教授 (50232301)
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Keywords | 保険債務の証券化 / 保険業務のアンバンドリング / 財務再保険 / 保険と金融の融合化 / ストラクチャード・ファイナンス / 資産担保証券 / モーゲージ担保証券 / 保険財務の健全化 |
Research Abstract |
わが国では現在、金融業務の規制緩和と経済のストック化が進展し、また資金供給者である家計の金利選好意識も高まり、効率的な家計資産の運用手段が求められている。保険事業に限定しても、金融・保険商品の融合化や自由設計型の保険による資産運用も行われ、その販売スタイルやチャネルも変化しており、事業展開においてダイナミックなイノベーションが生じている。そこでまず、保険業務の分化と金融との融合化が進展している、米国事例を詳細に検討した。具体的には、団体年金保険の受け皿商品としての各種のGIC契約(guarantee interest contract)を取り上げ、その基本構造を検討するとともに、簿価を保証する部分と資産管理部分を分離して、別々の金融機関が担当する「機能分化」と「再統合」の現状を考察した。一方で、保険・金融業務の分化(アンバンドリング)により契約者に対して利便性と流動性を賦与することが、個別金融機関に対して、リスク管理の高度化を要請することも指摘できる。そこで、「リスク管理手法の高度化」と「資金の流動性確保」を同時達成する仕組み・手法である、保険債務の証券化について研究し、あわせてそのマクロ的な影響と課題を探った。研究の結果、以下の結論を得た。 1)従来であれば相対取引とされていた貸付契約などを、市場価格で評価のうえ、債券として発行・流通することになるので、直接金融への流れを加速化する(具体的規模については今後の実証課題)。 2)これまで一体的に営んでいた、審査業務、リスク管理業務そしてプライシング業務について、各々に比較優位をもつ個別金融機関が、自らの専門能力を特化しながら経営効率を高めることが可能になる。
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Research Products
(3 results)