2004 Fiscal Year Annual Research Report
食品トレーサビリティの信頼性確保における農産物プライベート・ブランドの研究
Project/Area Number |
16530286
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
竹濱 朝美 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (60202157)
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Keywords | 農産物環境ラベル / フードマイレージ / 有機農産物 / 有機農産物認証 / プライベートブランド / 食品安全性 / トレーサビリティ / 環境配慮型農業 |
Research Abstract |
1)イギリス流通大手による農産物プライベート・ブランド イギリス大手スーパーの農産物プライベート・ブランドの基準および基準の公開状況を考察した。Tesco Organicについては、具体的な基準は公開されておらず、サイトには、パンフレットが開示されているのみである。イギリスにおいては、オーガニック食品は、Defra(Department for Environment, Food, and Rural Affairs)により認定された団体より認証をうける必要がある。すべてのオーガニック食品は、Defraまたは、他のEU諸国において認定されたオーガニック認証の番号を携帯する必要がある。 テスコの場合、約1200のオーガニック食品が納入され、価格は競争的である。これらの食品のオーガニック認証基準、認証取得の手続きについて、具体的な情報は開示されていない。主要なオーガニック食品についてさえ、主な生産者、生産方法に関する情報、認証団体に関する情報が一切開示されていない。この点から、オーガニックと表示するものであっても、その信頼性を裏付ける情報は伴っていないこと、情報と認証手続きに関する透明性の確保には、問題があると指摘できる。 2)農産物環境ラベルと気候変動 近年、温暖化は、IPCCの第三次報告書の予測を上回って、急速に進行する可能性が高いこと、二酸化炭素濃度を450ppmに安定化させてさえ、産業化以前に比べて温度2度の上昇に到達する危険があるとの研究報告が出された。2度上昇により、西日本では、米の収穫量は大きく減少すると予測される。食料自給率の低い日本にとっては、食品安全政策は、食糧安全保障の観点から見直す必要があり、地産地消の促進が不可欠である。この点で、食品トレーサビリティにおいても、フードマイレージを用いた農産物環境ラベルの整備が必要である。
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Research Products
(1 results)