2005 Fiscal Year Annual Research Report
食品トレーサビリティの信頼性確保における農産物プライベート・ブランドの研究
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16530286
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
竹濱 朝美 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (60202157)
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Keywords | 農産物認証システム / Assured Food Standards / 食品安全性 / 食品トレーサビリティ / 外部検査 / 気候変動 / 食料自給率 |
Research Abstract |
本研究は、食品安全および食料供給の安定確保に関して、農産物認証システムが果たす役割を考察した。 第一に、英国のAssured Food Standards(AFS)について、食品安全とトレーサビリティ情報の信頼性を確保する要件を考察した。AFSの第三者認証システム、トレーサビリティ・システム、外部審査員による審査、AFS認証基準を分析した。次の点において、AFS農産物認証の審査基準は高い水準を維持している。(1)独立の検査機関による外定期的な部審査が義務付けられている。(2)外部審査団体は、AFSから独立しかつ適格な審査能力を有することを政府機関UKASから認定される必要がある。外部審査団体は、AFSと利害関係が無いことを、欧州規格EN45011に従って認証されねばならない。この点は、わが国JAS有機認証よりも厳格である。(3)農家は、農作業ごとに記録保持が要求される。単位ロット、農作業の範囲と段階、薬剤・医薬品に関して、詳細な記録保持が定められており、単位ロットごとに農作業を追跡できる記録保持体制が要求される。(4)詳細な記録保持は、トレーサビリテの信頼性を確保する上で重要である。(5)AFS認証基準は、サルモネラ菌管理、家畜用医薬品、種子トレーサビリティについて、英国法規よりも厳格な安全性を要求する。 第二に、気候変動による食料供給への影響と食品認証の役割、日本の食品自給の脆弱性を考察した。最新の気候変動研究は、気候変動がthresholdsに接近しつつあることを指摘している。温暖化に伴って、今後、農産物供給は不安定化する可能性が高く、食料自給率が40%に過ぎない日本は、食料不足に陥る可能性が高い。国産農産物の育成は、緊急の課題である。国産農産物の身元と安全性を認証する農産物認証システムは、国産農産物を育成するうえで、役割が大きい。
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Research Products
(4 results)