2005 Fiscal Year Annual Research Report
消費文化のグローバル化・ローカル化・およびハイブリッド化に関する研究
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16530288
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
木村 純子 法政大学, 経営学部, 助教授 (00342204)
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Keywords | ビデオグラフィー / 消費文化論 / グローバリゼーション / ローカライゼーション / 文化の再生産 / 文化の真正性 |
Research Abstract |
【平成17年度の成果】 平成17年度は第二次世界大戦後から現在に至るまでに(WHEN)、観光地という場において(WHERE)、それぞれどのような欲望を持って、どのように観光文化を構築し維持しているのかを(WHAT & HOW)、ローカルの人々・観光客・マーケターという異なる主体が(WHO)、主体間の相互作用に注目しながら明らかにする、という全体構想を持って行った。このような研究の全体構想の中で、以下の成果を出した。第一に、既存の文化認識論とは異なる新しい文化認識論を用いることの意義を明らかにした。第二に、第一で提示した枠組みを用いて経験的分析を行った。異文化に接するローカルな文化は、異文化をしたたかに利用しながら、文化の真正性とローカル・アイデンティティを構築していることを明らかにした。 具体的には、本研究は、新しい文化認識論の変化を説明し、ハイパーリアリティ概念を再検討した上で、観光地における文化の真正性の構築の仕組みと、本物らしさの生きられ方/感じられ方を明らかにすることを目的とした。本物の文化を「本質主義」対「構築主義」のいずれで捉えるべきかという二項対立の議論から脱却する時期に来た。観光文化はある程度演出されたものであることを認め、観光地で文化がどのように本物として提示されているのか。またどのように生きられ受け止められているのかを議論した。調査対象として、フィンランドのサンタクロース村を取り上げた。ハイパーリアリティ概念を用いて、ハイパーな(作られた)世界に対して、ローカルな人々とそこを訪れる観光客がいずれも両義的な側面を持っていることを明らかにした。
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Research Products
(4 results)