2004 Fiscal Year Annual Research Report
東アジア流通市場における小売ノウハウ・技術の国際移転に関する研究
Project/Area Number |
16530289
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
金 亨洙 久留米大学, 商学部, 助教授 (60341301)
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Keywords | 小売ノウハウ・技術 / 国際移転 / 小売マーケティング技術 / 技術依存型小売ノウハウ / 管理依存型小売ノウハウ / 国際小売技術移転モデル / 適用化 / 適応化 |
Research Abstract |
本研究においては、製造業との比較の視点から海外小売企業における小売ノウハウ・技術の国際移転のモデル化を試み、その可能性について検討することが、その目的である。それゆえ、平成16年度には、まず小売ノウハウの国際移転に関する既存研究をレビューし、その問題点を明らかにした。その上で、その解決すべき事柄の方法論として移転対象となる小売ノウハウ・技術を「技術依存型」と「管理依存型」とに分類し類型化を試み、さらに製造企業の移転研究の成果に依拠しながら、海外小売企業への小売ノウハウの国際移転に関するモデルの構築を試みた。その資料の収集のため、韓国ソウルにある国会図書館やコンビニエンスストア協会・ロッテ百貨店(ソウル・釜山)等を直接訪問し、資料収集を行った。そこで収集された資料と洋文献等を基にして、小売ノウハウ・技術の国際移転のモデルとして、「技術依存型」・「管理依存型」の海外移転と、それらを規定する3つの決定要因(「文化構造」、「経済過程」、「企業内外の諸『組織』」)との間には、例外もあるが、トレード・オフの関係が成立するということを明確にした。つまり、海外小売企業における小売ノウハウの移転の成否は、移転対象となる諸技法がペーパーにマニュアル化可能なのか不可能なのかの度合(X軸)と、それを規定する要因の依存度合(Y軸)によって、その移転のプロセスが異なる。具体的には、同平面空間において、I(不完全適用)、II(適応)、III(不完全適応)、IV(適用)という4つのサブ空間が出来上がる。平成16年度には、以上の研究成果を要約し、香港で行われた「2004 EAMSA Annual Conference」と「日本経営学会第78回全国大会」の国内外の学会で報告を行い、さらに本研究の一部を「雑誌論文(久留米大学比較文化研究)」としてまとめたが、平成17年度には主としてモデルに基づいて実証研究を行い、最終年度には本研究の一部を著書又は論文としてまとめる予定である。
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