2005 Fiscal Year Annual Research Report
東アジア流通市場における小売ノウハウ・技術の国際移転に関する研究
Project/Area Number |
16530289
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
金 亨洙 久留米大学, 商学部, 助教授 (60341301)
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Keywords | 小売ノウハウ・技術 / 国際移転 / マニュアル化 / 店舗設計 / マーチャンダイジング / 小売技術移転モデル / 標準化 / 現地適応化 |
Research Abstract |
本研究においては、海外小売市場における小売ノウハウ・技術の国際移転のモデルを構築し、その可能性について検討することが、その目的である。それゆえ、平成16年度は、移転対象となる諸技法がペーパーにマニュアル化可能なのか不可能なのかの度合と、それを規定する要因の依存度合によって、その移転の仕方が異なるという「国際移転モデル」の構築を試みた。平成17年度は、研究協力者(中国留学生)の協力を得て、すでに構築した小売ノウハウ・技術の国際移転モデルに基づいて上海・カルフールをはじめとする外資系小売企業(メトロ、ローソン、ファミリーマート等)へのアンケート・インタビュー調査(2回)を行った。中国現地小売企業への実証研究の成果から言えば、店舗関連の技術では、店舗設計や什器デザインなどの大半の項目は「殆ど似ていない」が、冷蔵・冷凍設備の項目は「全く似ている」という答えが多かった。マーチャンダイジング関連の技術においても、商品選定や取引ルールなどの過半数の項目は「殆ど似ていない」又は「やや似ていない」という答えが多かったが、プリパッケージングとストアレイアウトの項目は「全く似ている」という答えが多かった。販売関連の技術のうち、販売イベントと広告方法の項目は「やや似ていない」が、接客とアフタサービスの項目は「全く似ている」という答えが多かった。つまり、小売ノウハウ・技術の国際移転は、移転対象となる諸技法がマニュアル化の度合とそれを規定する要因の依存度合によって、海外小売市場において現地適応化戦略又は標準化戦略を採っていることなどが明らかになった。さらに、平成17年度は「久留米大学商学研究・第11巻第1号・4号」にて本研究の成果の一部としてまとめた。平成18年度は韓国現地小売企業へのアンケート・インタビュー調査を行い、本研究の成果を著書又は論文としてまとめる予定である。
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