2006 Fiscal Year Annual Research Report
東アジア流通市場における小売ノウハウ・技術の国際移転に関する研究
Project/Area Number |
16530289
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
金 亨洙 久留米大学, 商学部, 助教授 (60341301)
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Keywords | 小売ノウハウ・技術 / 国際移転モデル / 中国小売企業 / 韓国小売企業 / コンビニエンスストア / ディスカウントストア / 適応化・標準化 / 商圏 |
Research Abstract |
本研究では、小売ノウハウ・技術の国際移転モデルを構築し、その可能性について検討することがその目的である。平成16年度はその国際移転モデルを理論的に構築し、平成17年度はその移転モデルに基づき、中国上海の小売企業を対象に現地調査を行った。さらに、平成18年度は韓国小売企業を対象にアンケート・インタビュー調査を行い、店舗・マーチャンダイジング・販売関連などといった小売ノウハウの移転仕方について明らかにした。調査の結果からいえば、コンビニエンスストア(以下はCVSと省略)では、マーチャンダイジング・教育関連・文化事業関連の小売ノウハウ、とくに文化事業関連の類似度が最も低かった。ディスカウントストア(以下はDSと省略)では、マーチャンダイジング・賃貸・文化事業関連の小売ノウハウの類似度が低く、CVSと同様に文化事業がとくに低かった。韓中の比較視点からいえば、CVSの場合、韓国では店舗・マーチャンダイジング・保管物流関連の小売ノウハウの類似度が高いのに対し、中国では情報システム・教育関連の小売ノウハウの類似性が高い。両国と共に文化事業関連では比較的に類似度が低い。しかし、中国のDSは賃貸関連を除き、韓国よりも全体的に類似度が高いが、韓国では文化事業関連の項目の類似度が極めて低い。小売業態間の比較視点からいえば、DSはCVSよりも、それらを営む小売ノウハウの類似度が高いことである。その理由としては、DSはCVSより商圏、いわば特定エリアで買い物をする顧客の地理的吸引範囲が広いため、それらの類似度が高いと思われる。結論的にいえば、小売ノウハウの国際移転の傾向は商圏が広い小売企業であればあるほど、それらを営む小売ノウハウの類似度は高くなるといえる。さらに、平成18年度は本研究の成果の一部として久留米大学商学研究・第12巻第1号と3号にてまとめ、現在本研究の成果を著書又は論文としてまとめている。
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