2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16530320
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
鵜飼 照喜 Shinshu University, 教育学部, 教授 (80045161)
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Keywords | 河川管理 / ダム問題 / 脱ダム宣言 / 環境負荷 / 災害ボランティア / 救援活動 / 自主防災組織 / 地方自治体 |
Research Abstract |
本年度は研究期間の最終年度当たるため、補足調査と研究とりまとめを中心に取り組んだ。 補足調査としては、愛知県清須市西枇杷島町の災害ボランティアに関する宗教団体のボランティア活動に関する補足調査を実施し、学会での災害論に関する分科会に参加して、災害論の今日的視点を学習して、報告書に反映させた。 災害論に関する本報告書の構成は、「脱ダム宣言」で話題となった長野県北部のダム問題の事例研究と、熊本県八女市坂本地区(旧坂本村)の荒瀬ダム撤去問題に関する環境社会学的視点・論点を整理し、さらに報道等で論じられている側面以外のダム問題の側面について論究した。 そのうち、長野県の浅川ダム問題では浅川下流域の地域特性を明らかにしたうえで、ダム建設による治水対策に変わる河川管理政策と前田中長野県知事の脱ダム宣言について論評した。 また、後者の荒瀬ダム撤去問題については、ダムによる環境負荷の側面以外にダム改修か撤去かという二つの方向での、経済的側面議論が欠落していることを明らかにし、河川管理政策に関する経済的側面の究明が重要であることを明らかにした。 他方で、災害ボランティア論ではボランティア活動を受け入れる地域社会と地方自治体の課題等について究明した。 そこでは愛知県西枇杷島町(当時)の災害後の救援活動とともに、災害の危機を察知した地元住民組織の動向を明らかにし、救援活動のあり方についてこれまで取り上げてこられなかった点を明らかにし、住民自治組織の災害時の役割について課題起した。 又、ボランティア活動の受け入れ体制については、まだまだ地方自治体に受け容れ体験の蓄積が少なく、スムーズな救援活動を進められない側面があることを指摘した。この点については、ボランティア活動の記録を入手したので、資料として報告書に添付した。 また、災害ボランティアに関して、とある宗教団地の活動が地元住民の間で評価されていること明らかにし、その団体の活動について解析した。
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