2006 Fiscal Year Annual Research Report
地域ケアシステムの形成における医師と住民の役割と課題
Project/Area Number |
16530321
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
小林 月子 岐阜大学, 教育学部, 教授 (00004094)
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Keywords | 地域ケアシステム / 高齢者介護 / 医師 / 住民 / 自治体 / 連携 / 地域資源 |
Research Abstract |
平成18年度においては,次の3つの対象地域において以下の調査・研究を行った。 (1)長野県武石村(現上田市) (2)新潟県大和町(現南魚沼市) (3)岐阜県久瀬村(現揖斐川町) 1)地域ケアシステムの形成および展開に寄与した以下の関係者へ面接調査を行った。 (1)医師・看護師などの医療従事者および医療・介護施設の管理者(2)ケアマネージャー・ヘルパーなどの介護専門職(3)保健師などの地域保健従事者(4)自治体の医療・福祉行政担当者(5)地域住民とりわけ医療・介護サービスを利用した,あるいは現在している住民とその家族 2)地域ケアシステムにおける継続性の問題 地域ケアシステムはその形成から今日まで,時代と地域のニーズに従って形態的にもサービス・活動内容においても大きな変化を遂げている。地域医療に携わる医師および介護職も交代や拡充あるいは組織編制の改変をせまられてさた。変化してきた医療介護サービスの供給者およびサービスを利用してきた住民およびその家族や関係者を面接調査した。 3)地域ケアシステムの今後の展開に関する展璽 いずれの対象地域においても高齢化と介護問題はますます深刻になっている。住民への面接調査によって明らかになったことは,住民のほとんどが住み慣れたわが村わが町で最後まで暮らし続けたいという願望を持っていることである。認知症の高齢者も増加している。現在の医療と介護のサービスが地域住民の主体的な運動と連携することなしにその願いを実現するのは難しい。医療と介護の専門職が行政を媒介として連携するばかりでなく,住民をその連携・ネットワークの中に位置づける試みがぜひとも必要である。たとえば,多様なサービスの中から自分にとって必要なサービスを選び組み合わせる能力,限定されたサービスしかない地域でサービスを手に入れる(作り出す)能力などは今日の地域住民にとってきわめて重要なものである。
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Research Products
(4 results)