2005 Fiscal Year Annual Research Report
公共性の構造変化についての社会学的研究-医療・福祉の分野を事例にして-
Project/Area Number |
16530323
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
河村 則行 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 助教授 (30234131)
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Keywords | 公共性 / 地域医療連携 / 情報 |
Research Abstract |
本研究の目的は、グローバリゼーションのもとで市場・競争原理の強化が進められているなかで、生活の基本である医療・福祉の分野を事例にして、公と私の役割分担の変化などの公共性の変容を研究することにある。 医療制度の改革の中で、これまで病院などの医療機関、福祉施設は、閉鎖的、自己完結的であったが、それらの機関や施設が地域に開かれ、連携することが求められている。地域医療連携は、地域の医療・福祉機関が相互に連携することで、その地域の課題を共同して解決するということである。 今年度は、市場原理が強化されるなかで、その連携がうまくいくのか、地域における医療と福祉の連携にはどのような形があるのかに焦点を当てて、研究を進めた。その連携ではどこが核となるのか(大病院、医師会等)、医療と介護をつなぐコーディネータをどこが担うのか(訪問看護ステーション、ケアマネージャーなど)を問題にした。 また、情報通信技術が進展する中で、情報の役割に注目した。地域医療連携では情報の共有化が課題になるが、そのためには情報通信ネットワークとヒューマン・ネットワークとが相互に連動することが不可欠である。特に、医療従事者(専門職)と患者(クライエント)との信頼関係が問題になる。クライエントへの説明不足など、連携の制度や意味について市民に情報が伝わっていないという問題があり、そのギャップをなくすためにどのような試みがなされているのかを調べた。
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