2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16530325
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 由典 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (80137299)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 三郎 広島国際学院大学, 現代社会学部, 教授 (80033736)
伊藤 公雄 京都大学, 大学院・文学研究科, 教授 (00159865)
新田 光子 龍谷大学, 社会学部, 教授 (70033751)
吉田 純 京都大学, 高等教育研究開発推進センター, 教授 (40240816)
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Keywords | 戦友会 / 戦争 / 記憶 / 戦後日本社会 / 慰霊 |
Research Abstract |
1 『「戦友会」調査報告書』(社団法人元軍人軍属短期在職者協力協会、2001)に記載されている5千余に上る個別戦友会のデータを精査し、調査可能な戦友会を抽出した。 2 上記手続きを経て得られた戦友会データに昨年度当研究グループが独自に行った追跡調査によって入手したデータを加え、全国の3,625の戦友会を調査対象として確定した。その後それらの戦友会に対してアンケート調査を行った。最新の情報に依拠した調査であったが、回答者の死亡あるいは会の解散による調査不能のケースはかなりの数に上った。戦友会調査特有の困難を抱えた調査ではあるが、2006年3月現在回答数は900近くになっており、回収率は25%を超える勢いである。種々の困難を考えると、この回収率は、かなり高いものといってよいだろう。また多くの戦友会から回答とともに膨大な量の貴重な資料の提供を受けた。 3 今回の調査の結果、戦友会関係者が戦後日本社会に対しコミュニケーションのチャネルをほとんどもたなかったこと、それゆえ戦友会の絆が貴重なものと観念され続けてきたことが改めて浮き彫りになった。また昭和50年代(1975年かち1985年)が戦友会のもっとも隆盛な時期であったことも明らかになった。今後は回答の内容分析を続けるとともに、調査の主内容を個別戦友会への聞き取り調査に切り替え、よりインテンシヴな情報収集を行う予定である。幸いいくつもの戦友会から調査の許可を受けており、順調に進めば、この1,2年で相当程度の情報が蓄積されるはずである。 4 戦争、記憶、慰霊などをテーマとする文献を精読するとともに、戦友会研究を行う際の理論枠組みについて検討を行った。戦友会研究は歴史学、社会学、政治学などの諸ディシプリンが交錯して行われるべきテーマなので、今年度も歴史学、カルチュラル・スタディーズの研究者を招いて研究会を開催した。
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Research Products
(6 results)