2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16530326
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山中 浩司 大阪大学, 人間科学研究科, 助教授 (40230510)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 満 甲南女子大学, 人間科学部, 教授 (50110763)
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Keywords | 標準化 / 電子カルテ / 情報技術 / 医療の合理化 / 臨床文化 / 医療コミュニケーション |
Research Abstract |
平成17年4〜5月 医療機関における電子カルテ導入の影響についての英文の調査研究約50本について検討。医療の質、医療従事者に与える影響、患者に与える影響などを中心に論点を整理。医師の負担が拡大する可能性、診療の質の向上に必ずしも結びつかない可能性、医療者同士のコミュニケーションへの影響、医療者-患者コミュニケーションへの影響について、肯定的、否定的双方の調査結果を検討。 6〜7月 文献、インターネット、資料による日本における電子カルテ導入状況調査。導入済みないし導入中の病院約400施設をリストアップ、データベースを作成。 8〜9月 関西圏の電子カルテ導入病院65施設について、導入担当者を対象として導入状況の予備調査を行う。20件のアンケートを回収。結果は、回答状況のみをまとめ、回答施設に送付。 10〜2月 関西の電子カルテ導入病院3施設にて、インタビュー調査およびアンケート調査を実施。インタビュー調査は、導入担当者、医師、看護師、検査技師について行い、アンケート調査は2施設の医療関係者全員を対象とした(530件回収)。インタビューはテープ起こしを行い、アンケートは、欄外への書き込みを含めて、できるかぎりすべての情報を電子化し、データベース化している。3月以降、この結果を分析し、協力いただいた医療機関にフィードバックを行う。電子カルテ導入の影響は医師にもっとも大きな負担となるため、調査施設以外での医師へのインタビュー調査を継続して行う予定。現時点では、電子カルテ導入が医療施設の仕事の構造全体にきわめて大きな影響を及ぼしていること、それは電子カルテの技術特性のみに起因するものでなく、電子カルテを契機とした医療供給体制全体の見直しによるところが大きいという点に注目している。また、医療者間のコミュニケーションにも大きな影響があるという点も確認された。
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