2005 Fiscal Year Annual Research Report
スティグマの相互行為的マネージメントと文化的構成の研究
Project/Area Number |
16530336
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Research Institution | OSAKA PREFECTURE UNIVERSITY |
Principal Investigator |
中河 伸俊 大阪府立大学, 人間社会学部, 教授 (70164142)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮脇 幸生 大阪府立大学, 人間社会学部, 助教授 (60174223)
工藤 宏司 大阪府立大学, 人間社会学部, 講師 (20295736)
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Keywords | スティグマ / 医療化 / 相互行為 / 女子割礼 / 辺境化 / ひきこもり / ジェンダー・アイデンティティ |
Research Abstract |
中河は、スティグマ現象についての先行研究を網羅的に検討し、その研究の系譜を4つに分類するとともに、そのうちの相互行為レベルで情報管理の研究と歴史的な系譜学的研究の2つのプログラムが、相補的な形でスティグマの組成を明らかにし、それに対する対策(ノーマライゼーション)を構想するのに有益であることを明らかにした。その成果は研究成果報告書(3月末刊行)に示されている。また、こうした研究の支柱となる質的調査の基本方針をめぐる論文を、社会学の方法論をめぐる共著の1章として公刊した。さらに、昨年度に引き続き、富山市のいくつかの団体や施設を対象にした、スティグマのノーマライゼーションの研究のための予備調査をおし進めた。 宮脇は、エチオピアの少数民族ホールを対象にした年来のフィールドワークの成果をまとめた単著を刊行したが、エスニシティ、ジェンダーをめぐるスティグマと権力関係の重層性やねじれが、同書のモチーフの一つである。さらに、同書で取り上げられた女子割礼/女性性器切除(FC/FGM)とジェンダー・アイデンティティ、エスニック・アイデンティティをめぐる考察をさらに整理し掘り下げ考察した。その結果得られた知見は、論文として研究成果報告書に収められている。 工藤は、大阪をはじめとするいくつかの場所でのフィールド調査を通じて「不登校」「ひきこもり」と医療化、スティグマ感覚、パッシングをめぐる研究を続行するとともに、「当事者の会」「親の会」が出している出版物や手記などの二次資料の収集を行い、その一部をデータベース化し今後の解析の資料として整理した。その成果は、研究成果報告書に収録されている。また、こうした研究の方法上の足場である構築主義についての解説を執筆し公刊した。
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Research Products
(4 results)