2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16530339
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Research Institution | Ryutsu Keizai University |
Principal Investigator |
恩田 守雄 流通経済大学, 社会学部, 教授 (00254897)
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Keywords | ユイ / モヤイ / テツダイ / 互助ネットワーク / イエ集団 / ムラ社会 / 社会的移入 / 社会的移出 |
Research Abstract |
1.現代日本の社会に生きる伝統的な相互扶助の解明 日本社会の構造を「イエ集団」と「ムラ社会」に加え「シマ社会」の原理から明らかにし、近代化の過程で変容しながらもユイ(互酬的行為)やモヤイ(再分配的行為)、テツダイ(支援<援助>的行為)という伝統的な互助行為が現代のボランティア社会に互助精神として継承されている点を主張した。 2.自生的な社会秩序と互助行為の社会的移出入について 日本の伝統的な互助行為と類似の慣行がアジア近隣諸国にも見られることから、人間社会共通の自生的な社会秩序がそこにあると仮定した。そこには相互に影響し合う関係があり、個々の社会構造によって異なる位相も生まれていることが韓国やベトナムの現地調査から示唆された。これが互助行為の社会的移入と社会的移出の関係であるが、こうした点はまだ比較資料が十分ではなく今後の研究課題としたい。 3.継続研究の成果のまとめ これまでの研究を「互助社会の原点」(互助行為と互助社会の基礎理論)、「互助行為の内容とシステム」、「互助組織の種類と変動」、「近世と近代の互助社会」、「沖縄の互助社会」、「本土島嶼の互助社会」、「現代日本の互助社会」としてまとめ、単著『互助社会論-ユイ、モヤイ、テッダイの民俗社会学』にまとめることができた。また次の研究も視野に入れた互助ネットワークの国際比較のために、基礎資料を収集し関連のヒアリングもすることができた。
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Research Products
(1 results)