2006 Fiscal Year Annual Research Report
環境破壊の社会的メカニズムと環境制御システムの研究
Project/Area Number |
16530345
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
舩橋 晴俊 法政大学, 社会学部, 教授 (30130751)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀田 恭子 立正大学, 文学部, 助教授 (20325674)
角 一典 北海道教育大学, 教育学部旭川校, 助教授 (10312323)
湯浅 陽一 関東学院大学, 文学部, 専任講師 (80382571)
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Keywords | 環境ガバナンス / 住民運動 / 九州新幹線長崎ルート / 政策過程 / 棚田保全 / カネミ油症事件 / 青森・岩手県境産廃不法投棄事件 / 廃棄物問題 |
Research Abstract |
1.理論的研究としては、「環境制御システム論」の基礎づけとしての「社会制御システム論」の体系化をすすめた。社会制御システムの諸類型を分析し、環境制御システムがそれらのうちの「社会的基準・集計量管理型」に属すること、また、諸類型において、経済的合理性とそれ以外の価値に基づく合理的行為が、それぞれ占める位置を検討した(船橋が担当)。 2.実証的研究としては、さまざまな環境問題について、次のような検討を行った。 (1)環境制御システムの一部を構成する主体としての協同組合に注目し、研究を進めた。特に、購買力を結集することによってシステムの改革を目指す生活協同組合の活動が、さまざまな形で環境に対するかかわりを持っていることを示すとともに、生協セクターの活動が機能不全を起こしつつある現状を把握した(角が担当)。 (2)自然環境の保全に関する事例として長崎県の棚田を中心に自治体・営農者・都市住民のそれぞれの保全への取り組みをまとめた。他方、カネミ油症事件を社会学的に検討するために、支援団体・訴訟弁護団事務局・人権申し立て代理人の弁護士・被害者・行政・新聞記者等に対するヒアリング調査を実施し、資料収集も行った(堀田が担当)。 (3)国内最大級の産廃不法投棄事件である青森・岩手県境産廃不法投棄事件について、青森県側の主要地方紙である東奥日報に掲載された記事をもとに、事件の経緯と関係主体を中心としながら詳述した。(湯浅が担当)。 (4)1960年代に静岡県沼津市・三島市・清水町においてなされたコンビナート建設阻止の住民運動について、これまでの知見をまとめて、運動の成功の要因を検討した(船橋が担当)。 (5)水俣病の教訓を、「社会過程における悪循環」「追加的被害」「科学的研究と公害問題との関係」「環境ガバナンス」といった視点から、検討した(船橋が担当)。
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Research Products
(6 results)