2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16530360
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Research Institution | Konan Women's University |
Principal Investigator |
芦田 徹郎 甲南女子大学, 人間科学部, 教授 (20151053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細辻 恵子 甲南女子大学, 教授 (90199505)
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Keywords | 地域文化 / 老人参加 / 元気 |
Research Abstract |
当年度は研究期間のなかばにあたり、初年度における研究の基礎的作業ないしは予備的作業を踏まえて、研究テーマならびに研究対象地域の絞り込みと、最終的な研究成果の結実に向けてのに展望の明確化をめざした。 具体的には、主たる研究フィールドを、十数年前に細川護煕と鈴木健二という2人の希有なリーダーのもとで全国的にも注目される地域文化振興政策を展開した熊本県に絞り込み、その後の文化行政の継承と断絶についての検証作業を、とくに元気な老人たちの参加と関与が著しかった、同県(旧)波野村、(旧)清和村、(旧)牛深市の事例に則して実施した。 こうした研究作業の結果、熊本の地域社会と老人たちの関わりは、ある種の共通性を出発点にしながらも、おのずからそれぞれに固有の展開を示していて、当初の世間の注目から十数年を得た現在、きわめて興味深い比較研究の素材を提供してくれているように思われる。次年度(最終年度)は、そうした比較研究をとおして、地域文化と老人たちの元気の可能性と課題を明確化したい。 他方では、限られた地域社会の調査研究から得られる資料と知見の偏りを緩和するため、他地域でのフィールドワークを実施し、また外国の研究者からの情報や意見の提供も受けた。ひとつは、岐阜県ひるが野等での地域文化と老人たちの関わりについての現地調査であり、もう一つは中国福建省在住の中国人研究者との情報交換である。来年度は、外個人研究者も交え、国際比較という観点からも、現代社会における地域と老人の位置づけを明確化し、高齢(化)社会に向けての展望を開きたいと考えている。
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