2006 Fiscal Year Annual Research Report
フランスにおける地域文化振興と社会構造に関する社会学的研究
Project/Area Number |
16530362
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Research Institution | KEISEN UNIVERSITY |
Principal Investigator |
定松 文 恵泉女学園大学, 人間社会学部, 助教授 (40282892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 直子 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 助教授 (30326160)
中力 えり 和光大学, 人間関係学部, 講師 (50386520)
鶴巻 泉子 名古屋大学, 大学院国際言語文化研究科, 助教授 (70345841)
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Keywords | 地域文化 / フランス / 社会構造 / 民族 / ブルターニュ / オクシタン / アルザス / コルシカ |
Research Abstract |
昨年度、地域文化をテーマとしたフェスティバルの現地調査において十分でなかった点を、それぞれ私費やその他の研究費を使用して追跡調査を行った。追跡調査すべき点については5月に会合を持ったのち、10月に「地域文化」の差異の社会学的枠組を用いた整理、「地域」をメタファーとして定義する可能性、非領域的な概念として使用する可能性の検討を行い、再度概念の使用について調整を行った。こうした作業によって、1960-70年代の地域主義運動との脈絡をたもちつつも、「地域」が必ずしも行政区画と一致していないだけではなく、領域的概念とみなすのか、非領域的とみなすのかはそれぞれの地域の歴史性と経済的要件が関連していることがわかった。コルシカ(定松担当)では民族主義的地域主義運動を源泉としているが、現在ではナショナリズムの呪縛から自由になっていること、ブルターニュ(鶴巻担当)では領域的なケルトを越えたイメージの創出、モザイク化するエスニシティ、オクシタニー(佐野担当)ではオクシタニー概念を動員することによる行政の地域おこし、アルザス(中力担当)では歴史の重みから非領域、開放性のメタファーとして地域概念が確認された。 これらの成果については、2006年10月28日第79回日本社会学会大会(立命館大学)学会で「地域文化活動にみる『地域』概念の形成」としてそれぞれのケース発表し、3月に5章からなる『フランスにおける地域文化振興と社会構造に関する社会学的研究』(課題番号16530362)の成果報告書としてまとめた。
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Research Products
(3 results)