2006 Fiscal Year Annual Research Report
看取る文化とその社会的条件-在宅で迎える死はどのようにして可能か-
Project/Area Number |
16530364
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Otsuma Women's University |
Principal Investigator |
大出 春江 大妻女子大学, 人間関係学部, 教授 (50194220)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 美優 神戸大学, 医学部, 助教授 (40189064)
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Keywords | 看取り / 訪問看護 / 在宅死 / 病院死 / 湯灌 / 死後の処置 / 死化粧 / 訪問看護ステーション |
Research Abstract |
平成18年度も毎月1回(8月を除く)、都内で研究会を開催し、各自の研究成果報告、調査で得られた資料及びデータの相互検討、課題テーマに関連する文献講読を中心に研究者相互の情報の共有をはかった。研究調査対象を理論的サンプリングによって選び調査を実施。平成18年度実施の調査および会合への参加・研究交流は次の通りである。1)2006年8月在宅の看取りを行っている医師2名への共同インタビュー(兵庫県宝塚市と大阪府八尾市)。2)2006年8月研究分担者中村が在宅で看取った家族3組に単独インタビュー(兵庫県神戸市・明石市)。3)2006年10月「ラストステージは自分らしく」(リサナメント宝塚主催・兵庫県)シンポジウム参加・研究交流4)2006年10月中村および研究協力者松田による長岡西病院ビハーラ病棟見学・看護師長へのインタビュー5)2007年2月シンポジウム「微笑みで開く<地域の看取り>」(大阪市・鷹典院寺町倶楽部主催)参加・研究交流6)2007年3月長野県小布施町新生病院ホスピス見学・ホスピス医および訪問看護ステーション・看護師インタビュー 平成18年度の研究活動の内容と分担は以下の通りである。1)研究全体の統括、および在宅の看取りに関する文献の収集、会計管理。(大出)2)訪問看護と在宅医療に関する文献研究と、大阪・兵庫を中心とした訪問医療・訪問看護・在宅看取りに関する調査の計画・実施と連絡調整。(中村)3)長野県におけるホスピス・訪問看護ステーションにおける見学・インタビュー調査の計画および新潟県・長岡市におけるホスピス見学・看護師長へのインタビュー調査の計画・実施。電子会議室の管理。(松田)4)近代から現代に至る葬送儀礼(死後の処置、エンゼルメイク、湯灌、死装束、納棺の方法など)を中心とした文献研究と文献リストの作成、調査に関連する庶務(古川)本研究では一貫して、社会学と看護学の両分野の特性とネットワークを活かした調査と実証的なデータに基づく理論化をめざしている。研究者全員が文献情報と調査データの理解を共有する必要があるため、定例研究会が重要な位置を占める。研究費の多くが交通費となったのは、研究分担者と研究協力者がこの研究会に参加するためであるとともに、関西と長野における調査も可能な限り全員が参加することを目的としたためである。その他の出費の中心となっているのはインタビュー・テープ起こしの謝礼である(調査全体の一部)。2006年10月以降の長野調査、2007年2月大阪市シンポジウム参加、2007年3月長野県・小布施町調査費用は参加者の自己負担によっている。研究会参加交通費も10月以降については自己負担である。現段階での研究成果は以下の通りである。1)在宅における看取る家族からの視野構造として訪問看護ステーション、訪問医師、病院、介護保険制度、親族ネヅトワーク、地域を考察することの重要性。2)長寿社会という現実のなかでとう生きるかという問いが在宅の看取りへの関心と一緒になって様々な形で現象していることへの着目の必要性。3)<在宅の看取り>における看取るまでの軌跡の多様性の存在と条件。
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Research Products
(2 results)