2006 Fiscal Year Annual Research Report
児童養護施設における小舎制・グループホーム養育の有効性に関する研究
Project/Area Number |
16530366
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Research Institution | Aomori University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
佐藤 秀紀 青森県立保健大学, 健康科学部, 教授 (60265105)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 秀一 青森県立保健大学, 健康科学部, 助教授 (80315556)
浅田 豊 青森県立保健大学, 健康科学部, 講師 (00315532)
鈴木 幸雄 北海道医療大学, 看護福祉学部, 教授 (20171267)
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Keywords | 児童養護施設 / 虐待 / 虐待環境 |
Research Abstract |
児童養護施設においては、新たに増加している被虐待児への対応も加わり、さらに処遇困難度を高めている。かつての単純養護ではない専門的なケア体制の整備が早急に求められている。したがって、児童養護施設における児童の行動の変容状況やその背景要因を総合的に把握し、これら児童の効果的処遇方法、体制等について検討することは重要かつ不可欠な課題であるといえよう。 本研究は、全国の児童養護施設のホームページを参考に、具体的な事例をあげることにより、児童養護施設における小舎制・グループホームの有効性について検討することを目的とした。 その結果、1)児童養護施設への虐待を受けた児童の入所が年々増加している、2)現在、児童養護施設の約7割は、1舎20人以上の大舎制である。被虐待児は、他者との信頼関係の構築が困難などの傾向が強く、集団生活の中でケアすることは難しい。集団養護を原則とずるこの大舎制は、児童福祉施設最低基準や措置費交付基準等が長らく低水準に押し止められてきたために、言わば仕方なくとってきた形態であり、そうした基準では施設生活をノーマライズする事は不可能であった、3)被虐待児にはこれまでの集団による養育では限界があり、できる限り家庭的な環境の中で、職員との個別的な関係を重視したきめ細かなケアを提供していくことが求められている、4)これらのことから、虐待を受けた児童へのケアには、施設を小規模化し、家庭的な環境の中で養育することが必要となっている。
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