2004 Fiscal Year Annual Research Report
痴呆性高齢者の自立支援のための環境デザインに関する研究
Project/Area Number |
16530367
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
狩野 徹 岩手県立大学, 社会福祉学部, 助教授 (00204595)
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Keywords | 痴呆性(認知症)高齢者 / 環境デザイン / 痴呆(認知症)ケア / 痴呆性高齢者グループホーム / ユニットケア |
Research Abstract |
今年度は、以下の2点についての課題を明らかにした。 1.特別養護老人ホームにおける個人浴について 平成16年12月にI県に開設されている特別養護老人ホーム90施設すべてに対し、電話聞き取りの形式で、「個別入浴を実施しているかどうか」「個別入浴にたいしての質問紙アンケート調査に協力してもらえるかどうか」をたずね、協力してもらえる施設に質問紙アンケートを実施した。 今回の調査では、個別入浴の導入実態について、利用者からみた個別入浴の利点・問題点、職員から見た個別入浴の利点・問題点を捉えた。個人浴については新型特養になってから急増しているが、従来の特養ではハード面の制限から導入したくても困難状況であることを明らかにした。個別入浴の利点は、「入浴そのものが楽しみ・喜びになる」「入浴にたいしての安心感が生じる」「本人のペースで入浴ができる」などで、問題点は「従来のケアの流れをかえることができない」「一人で入浴することに対する不安・恐怖感」などがあげられた。また、職員に対する利点は「介護負担の軽減」「介護に対する意識変革」などがあげられた。問題点は「入浴以外の業務への影響」「人員配置」などであった。 2.具体的環境デザインの提案 2つの施設に対し、個室のあり方、ユニットのあり方、浴室のあり方、共用空間のあり方について現場の意見と調整しながら痴呆性高齢者の自立支援のための環境デザインの条件・あり方を整理した。個室についてはトイレを付けるかどうか、ユニットの空間構成に変化をつける、個人浴の導入、ユニット外にラウンジ的空間を用意し生活のメリハリをつける、などが必要とされた。これらを基に具体的に施設の計画をおこない実現の提案をおこなった。来年度はこれらの提案を検証する予定である。
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Research Products
(1 results)