2005 Fiscal Year Annual Research Report
婦人保護施設利用者の特性及び利用要因の変化と、自立後も継続された支援の必要性
Project/Area Number |
16530374
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Research Institution | Shizuoka University of Welfare Junior College |
Principal Investigator |
武藤 裕子 静岡福祉大学短期大学部, 介護福祉学科, 講師 (40341721)
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Keywords | 婦人保護施設 / DV法 / 売春防止法 / 参与観察 / インタビュー調査 / 自立支援 |
Research Abstract |
平成17年度の研究実績としては、まず、8月に都内の婦人保護施設において約2週間の調査を行った。調査の内容は、主として参与観察の手法を用い、作業所内にて利用者の作業に参加、おしゃべりや作業の様子の中から、利用者の特性の変化を観察した。この施設では退所者サービスも行っており、退所していった利用者たちがその都度施設を訪れている。そこで、来所した元利用者たちの様子も合わせて観察し、退所後の生活が安定したものであるか話しかけながら様子を窺った。また、唯一の長期婦人保護施設である「かにた婦人の村」でも1週間にわたり、参与観察および施設長へのインタビュー調査を行った。 DV法前後の利用者を比較してみると、DV法後の利用者の平均年齢は若年化しており、知的レベルも高いものとなっている。子どもをもたず、結婚もしていない利用者が増えている。利用要因としては「生活苦」や浮浪が多く、相対的貧困とサラ金からの借金が増加していることが明らかとなった。これらの研究結果は国立女性教育会館紀要に掲載され、8月には入選論文報告会に参加、発表をおこなった。 退所した元利用者に関しては、生活面、精神面共に安定している者は少なく、多数の者が何かしらの問題を抱えていた。それゆえ、退所後にこそ支援が必要であろうと思われた。 かにた婦人の村でも同じように参与観察を主とした調査を行ったが、長期婦人保護施設ゆえ利用者の多くが何十年にわたって当施設で暮らしている。高齢者も多く、介護を必要とする利用者も増加していた。施設長のインタビューでは、利用要因の複雑さが伺えた。 10月から12月にかけては、次年度の研究準備のための資料集めを行った。
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Research Products
(1 results)