2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16530412
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Research Institution | Seitoku University Junior College |
Principal Investigator |
長田 由紀子 聖徳大学短期大学部, 教授 (70172781)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長田 久雄 桜美林大学, 大学院・国際学研究科, 教授 (60150877)
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Keywords | 夫婦関係 / 定年退職 / 結婚満足度 / ストレス / 中高年 / 熟年離婚 / 役割意識 / 家庭 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度に行った横断調査の分析と、承諾の得られた対象者への面接調査、また1年後の継続調査を行った。横断調査では104組の夫婦からペアデータが得られた。定年期を挟んでの離婚においては、妻の意識がしばしば重要な鍵を握るといわれる。そこで妻の結婚満足度を用い、不満群と満足群に分けて、夫婦それぞれの認識の違いについて検討を行った。結果は、以下の通りである(なお、不満群と満足群の間には、夫婦それぞれの年齢、職業の有無等に違いはなかった)。 (1)(妻の満足度)不満群の妻は満足群に比べ、孤独感が高く、結婚継続の理由は相手への愛情や親密性というよりも、利便性や惰性によるものと回答する傾向が見られた。 (2)(妻の満足度)不満群の夫は満足群に比べ、夫自身の結婚満足度も低かった。しかしながらその他の属性や結婚継続理由の等に違いは見られなかった。 (3)各夫婦の家事分担意識における夫婦間のギャップは、2群で差が見られた。すなわち、不満群により大きな認識の違いが示され、それは、相手の貢献を過小評価し、自分の貢献を過大評価するというものであった。 (4)夫婦関係に対する自由記述において、不満群の夫には「空気のような存在」「あまり期待しない方がよい」など、距離を置いた関わり方や当たり障りのない表現記述が見られたが、妻の回答には配偶者に対する葛藤や諦め、定年後への期待がつづられていた。 なお、面接および継続データの分析は、現在進行中である。また、今後も退職者を中心に個別の聞き取りを行う。平成18年度は、得られた結果の一部を日本心理学会で発表した。19年度は、日本老年社会科学会、日本心理学会等で、発表の予定である。
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