2004 Fiscal Year Annual Research Report
日英語の心的音節構造分析と英語の読語過程の総合的研究
Project/Area Number |
16530426
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山田 純 広島大学, 総合科学部, 教授 (00116691)
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Keywords | 音節 / 音読潜時 / ローマ字 / ピッチ / 持続時間 / 英語音読 / 日英語 |
Research Abstract |
現段階においては、個々の音節をひらがな文字およびローマ字で日本人英語学習者(学生)に呈示し、音読潜時を測定した。その結果、英語学力の音読潜時がローマ字条件でより強いことが明らかになった。これは、文字-音素変換速度が英語学力と関連していることを示唆する。また、同被験者群の「ら」などとそれに対応する「ra」などの音素をスピーチアナライザーで分析したところ、ローマ字条件では、この実験が英語と無関係であるにもかかわらず、上位群は、英語式の発音をしていることがわかった。すなわち、書記形態の発音におよぼす無意識的効果が示されたことになる。 また、日本人英語上位群、平均群、および英語母語話者を対象に、日英語の単語を呈示し、音読するように求め、録音データにおける/m/,/t/などの持続時間を計測した。日本語の/m/などの子音持続時間は、英語に比べて短いが、日本人および英語母語話者が日本語の単語を音読する場合、日本人の持続時間は英語母語話者よりも短いという結果を得た。これに対して、英単語を音読する場合、英語母語話者、日本人英語上位群、日本人英語平均群の順に短くなるという結果となった。これは、英語学力の向上とともに意識しにくい音素持続時間の習得されることを示している。これらの成果は、現在、国際誌に投稿、審査中である。 現在は、日本語文章の典型的な音読データにおける音節のピッチ、持続時間、ストレスを測定し、これらの相関関係および統語的、語彙的な効果を検討中である。
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