2004 Fiscal Year Annual Research Report
小学生の単元進行に伴う学力差拡大状況の実態とその是正のための教授法の開発
Project/Area Number |
16530433
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Research Institution | Tohoku Fukushi University |
Principal Investigator |
白井 秀明 東北福祉大学, 総合福祉学部, 講師 (50281291)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇野 忍 東北大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (30004120)
荒井 龍弥 仙台大学, 体育学部, 助教授 (60254819)
工藤 与志文 札幌学院大学, 人文学部, 教授 (20231293)
佐藤 淳 北海学園大学, 経営学部, 教授 (60265056)
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Keywords | 理科 / 単元 / 関連づけ / 溶解 / 質量保存則 / 体積 / 化学概念 / 物質概念 |
Research Abstract |
本年度は、研究計画に基づき、大きく以下のような研究を同時並行的に行った。 (1)物質の基礎概念についての横断的調査 小学校4年・6年2クラスずっ(1学年約60名〜70名)を対象として、各学年の理科学習が終了時に、物質の基礎概念(「重さの保存」「重さの加法性」「ものには重さがあるか」「ものの体積における占有性」「体積の易変性」「実験についての考え」)理解度調査を行った。結果については、最終学年である6年においても、重さの保存が未達成の者や、体積と重さの混同というある種の誤概念が推測される誤答をした者が少なからずいたことが、特に注目に値する。 (2)単元間の相互関連づけを目指す教授プランの開発とその実施と評価 5年理科の「もののとけ方」単元を対象に、実験授業を行い、さらにその効果の評価のために、授業前後に(1)物質の基礎概念の調査(2)当該単元独自の教授目標の達成度調査を行った。実験授業は、当該単元の内容の学習(「水にとけるものとけないもの」「とけたもののゆくえ」「はやくとかすたくさんとかす」)と単元間の関連づけ学習からなる。単元間の関連づけ学習の部分では、4年で既習の「温度ともののかさ」「水の三態変化」などの単元に登場した実験を再現し、体積や重さについて増減同の確認作業を通して両者の次元間弁別を行った。こうした弁別作業によって、4・5年で登場する、温度変化、三態変化、溶解といった物理的・化学的現象を包括的にとらえることが可能となり、関連づけしなかった場合より物質の基礎概念についての理解がより構造的になっていると予想された。結果については、物質の基礎概念と単元独自の教授目標のいずれの理解についても、限定的な効果しか見られなかった。
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