2005 Fiscal Year Annual Research Report
小学生の単元進行に伴う学力差拡大状況の実態とそし是正のための教授法の開発
Project/Area Number |
16530433
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Research Institution | Tohoku Fukushi University |
Principal Investigator |
白井 秀明 東北福祉大学, 総合福祉学部, 講師 (50281291)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇野 忍 東北大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (30004120)
荒井 龍弥 仙台大学, 体育学部, 助教授 (60254819)
工藤 与志文 札幌学院大学, 人文学部, 教授 (20231293)
佐藤 淳 北海学園大学, 経営学部, 教授 (60265056)
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Keywords | 理科 / 単元 / 関連づけ / 燃焼 / 質量保存則 / 体積 / 水溶液 / 物質概念 |
Research Abstract |
本年度は、小学校6年理科の2単元の前後計4回の調査を実施しながら、単元独自の腰に加えて物質の基礎概念の理解も深めるための関連づけ授業を行い、それら理解に対する各授業の効果を評価した。学習者は、昨年度の研究の「もののとけ方」単元において同様の目的で関連づけを行った授業を受けた児童34名。 (1)6年理科「ものの燃えかたと空気」単元の結果 単元の学習(教授目標(1)「様々な気体とその性質」(2)「酸素の割合と燃え方の関係」(3)「炎の有無と燃え方の関係」と関連づけ学習を行う。関連づけ授業では、当該単元で登場した乾留や燃焼などの化学変化を再現し、前後で重さと体積の増減同の確認作業を通して両者の次元間弁別を行った。結果として、単元独自の教授目標のうち(2)や(3)については概ね理解されたが(1)のうち「二酸化炭素が火を消す働きがある」と授業後に誤答した学習者が依然半数いた。さらに物質の基礎概念についても事前とほとんど変わらなかった。(2)6年理科「水溶液の性質とはたらき」単元の結果 水ぜめ(水にとけるか)、火ぜめ(火で燃えるか)、いびりだし(溶質がもとのまま出てくるか)の反応を手がかりに、物質全般を金属、食塩、デンプンの各仲間にわけられることを確認した後、酸性の水溶液は水ぜめ火ぜめ両方に強い金属を溶かすという性質があるという学習を主に行った。物質の基礎概念の重さについては、これら反応の前後で物質の重さの増減同を確認し、体積については媒質や溶媒などの体積を測りとる機会を増やすにとどめた。その結果、単元独自の目標のうち、属性間の関係(水ぜめと火ぜめの強弱の関係)はかなり理解が促進されたが、外延的な理解(何がどの仲間か)は不十分であった。物質の基礎概念についても、今まで最も正答者率が高くなった課題もあったが、体積と重さの混同など、依然として理解を深めることができなかった課題もあった。さらなる関連づけ授業の改良が必要である。
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Research Products
(2 results)