2005 Fiscal Year Annual Research Report
オノマトペにおける言語・認知発達と教育および療育効果の実証的研究
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16530436
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Research Institution | Sugiyama Jogakuen University |
Principal Investigator |
横尾 尚子 (石橋 尚子) 椙山女学園大学, 人間関係学部, 助教授 (90232339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有働 眞理子 兵庫教育大学, 学校教育学部, 助教授 (40183751)
丹野 眞智俊 神戸親和女子大学, 文学部, 教授 (00039215)
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Keywords | オノマトペ / 言語発達 / 認知発達 / 幼児教育 / 学校教育 / 障害児教育 / 療育 / 韓国(日韓比較) |
Research Abstract |
本年度は、昨年度の韓国におけるオノマトペ教育の実態調査を踏まえ、研究の深化を目指した。具体的には、まず、昨年度テグ市内の三校(延世幼稚園・旭水初等学校・南陽養護学校)から入手した「学校要覧」「教科書」「カリキュラム一覧」「評価にかかわる書類」など、韓国オノマトペ教育に関する貴重な資料の翻訳を完了した。各校で撮影した授業ビデオの分析と合わせ、その授業内容や指導方法等について検討を重ねている。本年度2月には同三校を再度訪問し、謝辞と翻訳結果の報告を行うとともに、入手資料公開の承諾と研究協力継続の展望を得ている。また今回の訪韓では、ソウル神学大学校の玄正煥副教授の協力を得て、富川子どもの家(韓国の保育所)、ユジン子どもの家、パステル子どもの家、富川ヘリム療養園など、韓国の保育・福祉の現場を見学し、その知識と理解を深めることができた。これまでに得られた韓国の優れたオノマトペ教育に関する知見を充分吟味し、日本の学校教育(幼児教育・小学校教育・障害児教育)への適用を提案していきたい。さらに、ソウル女子大学の協力を得て、大学生を対象としたオノマトペに関する日韓比較調査が可能となった。この調査は丹野がマネージメントするものであり、次年度への継続課題として発展させていきたい。 他方、国内においては、有働が兵庫教育大学障害児講座の高野(旧姓:村田)助教授の強力なサポートを受けて、姫路養護学校での観察調査に取り組んだ。日本の障害児教育の現状をつぶさに観察・記録し得たことは非常に貴重なことであり、児童・生徒のプライバシー等に充分配慮しながら、オノマトペの療育効果について日韓の比較を含め検討していきたい。また、横尾(石橋)が主に担当している「幼児関連施設や家庭で使用されているオノマトペに関する調査・分析」、丹野が主に担当している「オノマトペの言語的・心理的有能性に関する調査・分析」の結果等を統合し、研究全体の成果として結実したい。
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