2004 Fiscal Year Annual Research Report
統合失調症患者における認知リハビリテーションの開発とその基礎的研究
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16530445
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
松井 三枝 富山医科薬科大学, 医学部, 助教授 (70209485)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
住吉 太幹 富山医科薬科大学, 附属病院, 講師 (80286062)
野口 京 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (10242497)
鈴木 道雄 富山医科薬科大学, 医学部, 助教授 (40236013)
川崎 康弘 富山医科薬科大学, 附属病院, 講師 (80242519)
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Keywords | 統合失調症 / 認知リハビリテーション / 単語記憶学習 / スクリプト / 近赤外線分光法 / 機能的脳磁気共鳴画像 / 前頭葉 / 記憶のストラテジー |
Research Abstract |
統合失調症患者の認知障害の潜在的学習可能性を検討することを第1の目的とした。つぎに、認知リハビリテーションの効果の実証的検討のために、認知機能課題施行時の脳機能状態を調べることを目指している。このために、第2の目的として、まず、近赤外線分光法により、健常者で認知機能課題施時の脳機能状態をみた。第3は、詳細に脳機能状態を調べることが可能な機能的脳磁気共鳴画像(fMRI)を用いて、その方法的妥当性を確立してゆくことであった。 以下の検査について、認知リハビリテーションのための学習能力についての心理学的検討を行った。1)単語記憶学習検査:カテゴリーが埋もれている16単語リストを記憶してもらう検査である。この際、まず健常者で、2回目のテストでカテゴリーに関したストラテジーの教示を付与する群としない群での記憶成績の比較検討を行なった。結果、ストラテジーの教示を付与する群の方がしない群よりも記憶の組織化指標が上昇した。2)日常場面におけるスクリプト課題を用いて、課題の与えた方の差異を検討した。結果、統合失調症患者群は健常者群よりすべての課題で成績が低いが、自由再生<頻度判断<並べ替えと、課題によって患者群でも正答率が上昇した。 次に、単語記憶学習課題施行中の近赤外線分光法試験を健常者で行った。結果、酸素化ヘモグロビンの増加と脱酸素化ヘモグロビンの減少が認められた。また、記憶過程により酸素化ヘモグロビンの継時的変化が異なることが示唆された。さらに、ストラテジー教示の付与は課題を容易にし、前頭葉の関与を減少させる可能性を示唆した。第3にfMRIの基礎研究として、fMRIの撮像を予備的に行なった。健常者を被験者としてアーチファクトを克服し、十分、信頼おける脳機能画像を得ることが可能となってきた。平成17年度はさらに、決まった課題での検討を行ない、健常者と患者での比較検討へ進める予定である。
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Research Products
(7 results)