2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16530452
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
田嶌 誠一 九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (70163459)
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Keywords | ネットワーク / コミュニティ心理学 / 居場所 / 多面的アプローチ / 体験様式 / 遊び方 |
Research Abstract |
今回の研究では、従来の個室での1対1で対話によるカウンセリングという方式だけでは援助困難な児童・青年を対象に「悩み方」「体験様式」と「コミュニティ心理学」の視点から「ネットワーク」と「居場所づくり」を活用した多面的援助アプローチについて、以下のような研究を行なった。 昨年度は中学校や心理教育相談室において、不登校児を対象として研究を行ったが、今年度は適応指導教室および児童養護施設において同様の手法を用いて研究を行った。 「こころの居場所づくり」として対象児童が自由に出入りして過ごせる部屋を設け、この部屋を活用して、主として不登校を対象として、その援助のためにはどのような条件が必要か、どのような活動が児童・青年のどのような問題の心理的援助に役立つのか、そこではどのような効果と心理的過程が生じるのかを研究を行った。その結果、適応指導教室では、元気になる生徒には共通した変化過程をたどることが明らかになった。すなわち、対指導員・対他生徒・対活動の順に受動的から積極的になっていくということ。また、適応指導教室においても中学校や心理教育相談室においてと同様に、生徒の「遊びの内容」と「遊び方」が変化していくこと、そしてそれは対人関係と遊び空間の拡がりという視点からみれば、一定の方向で変化していくことが明かになった。 さらに、児童養護施設における多面的アプローチの基礎的研究を行った。その結果、児童養護施設においては性暴力も含む児童間暴力が深刻であり、また性暴力では異性間だけでなく同性間でもみられることがわかった。また、加害児がかつての被害児であり、暴力の連鎖があることも明らかになった。そのそのため入所児の安心・安全が確保されていないものと考えられる。
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Research Products
(2 results)