2006 Fiscal Year Annual Research Report
自閉症圏障害幼児のコミュニケーション能力発達の前方視的検討
Project/Area Number |
16530462
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Research Institution | Okinawa International University |
Principal Investigator |
財部 盛久 沖縄国際大学, 総合文化学部, 教授 (50175436)
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Keywords | 自閉症障害 / 母子相互交流 / ビデオ・フィードバック面接 / 間主観性 / 愛着 |
Research Abstract |
昨年度から継続しているケースの2組の親子を対象として母子相互交渉場面における関与しながらの観察を行い、親子がどのように相互交流を行っているのか検討している。今年度の成果として以下の点が明らかになった。 1.親が子どもに示す僅かな変化に敏感になる 自閉症の子どもと母親のあいだのコミュニケーションが活性化するには、親の側が子どもの直接訴える行動だけではなく、子どもの示す何気ない仕草や発声のような僅かな変化を敏感に感じ取ることが必要である。そして、その変化について子どもの側が何かを訴えている、という受け止め方をすることが必要になる。通常、親はこのような僅かな変化に気づかないか、気づいたとしてもそこに子どもの何らかの訴えを読み取ろうとはしない。このような親に対して支援者が子どもの訴えを親が気づけるような援助を行うことが必要になる。 2.子どもの示す変化を子どもの立場で意味づける 親は子どもの示す変化に子どもの意図を感じることができない、あるいは何らかの意図を感じ取っても親の側の意味づけとなることが多く、子どもの意図を的確に受け止めることができない。しかし、親が子どもの立場でその変化の意味を受け止めることができるようになると、そこを契機として親子のあいだのコミュニケーションが活性化する。 3.ビデオフィードバックの有効性 親が子どもの変化に子どもの意図を感じ止めるようになるためには、支援者がビデオフィードバック面接により、子どもが変化を示す前から継時的に行動の変化を示し、文脈をたどりながら子どもの行動の意味を親に解説することが重要である。
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