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2006 Fiscal Year Annual Research Report

サッケード潜時を指標とした皮質下視覚機能の検討

Research Project

Project/Area Number 16530466
Research InstitutionNiigata University

Principal Investigator

本田 仁視  新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (50124623)

Keywordsサッケード / ディストラクタ / 注意 / 眼球運動 / 上丘
Research Abstract

視覚性注意の発現と制御には皮質下の神経機構,とくに上丘(superior colliculus)とよばれる部位の働きが深く関与しているとされる。この事実を示す神経生理学的証拠は多いが,行動学的なレベルでの証明はほとんどなされていない。本研究では,視覚刺激に対する反射的な眼球運動(サッケード)の反応潜時に注目し,リモート・ディストラクタ効果(remote Uistractor effect)とよばれる特異な現象を利用して,視覚性注意にかかわる皮質下神経機構の役割を明らかにすることを試みた。
リモート・ディストラクタ効果とは,視野周辺に提示された視覚刺激に対するサッカード反応の潜時が,これとは別の視覚刺激(ディストラクタ刺激)が反対側の視野に提示されることによって増加する現象である。昨年度までの研究で,リモート・ディストラクタ効果は,サッカードの開始前までに提示されていた注視点をそのまま提示し続けることによって,減少もしくは消失することが明らかになった。この実験結果は,上丘に存在するニューロン(注視ニューロンとサッケードニューロン)の反応特性から予測される結果と一致しており,それゆえ,上丘における視覚処理を行動学的な実験によって示したものと解釈される。
本年度においては,さらにディストラクタ刺激を提示するタイミングを操作した実験をおこなった。その結果,リモート・ディストラクタ効果は,ディストラクタ刺激がサッケードの目標刺激の提示に先立って提示されることによって顕著になること,またこれとは反対に,サッケード目標刺激が提示されたあとでディストラクタ刺激を提示した場合は,リモート・ディストラクタ効果はほとんど生じないことが示された。これらの結果は,上丘内における注視ニューロン群とサッケードニューロン群の相互的抑制作用の時間的特性を反映していると考えられる。

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Published: 2008-05-07   Modified: 2016-04-21  

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