2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16530478
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
近江 政雄 金沢工業大学, 情報フロンティア学部, 教授 (70016616)
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Keywords | 同時並行作業 / 認知負荷 / 非侵襲脳機能計測 / 近赤外線トポグラフィ / 運転パフォーマンス / 計算課題 |
Research Abstract |
本研究の目的は、被験者が同時に並行して作業をおこなっているときの脳活動を計測し、作業の時間経過や困難さによる注意や判断のための認知負荷の違いによる脳活動の変化を評価することである。平成16年度は、被験者の作業として自動車の運転をとりあげ、ドライビングシミュレータによる運転中に、同時並行作業として計算課題を課して、運転パフォーマンスと脳活動を計測した。 1.ドライビングシミュレータを制作して自動車の運転作業をシミュレートした。すなわち、自動車のフロントガラスから見た映像を被験者の操作によって変化させることができるシステムを制作した。 2.被験者の多少の運動にかかわらず脳活動が計測できる近赤外線トポグラフィシステムを使用して、ドライビングシミュレータを運転作業中の被験者の脳活動を計測した。 3.作業中の認知負荷として、ドライビングシミュレータの運転作業中に被験者に計算課題を課した。被験者には、「計算課題を無視して運転に集中する」、「計算課題に答えながら運転する」の二条件で運転作業をさせ、そのパフォーマンスと脳活動の変化を連続計測した。 4.すべての被験者で、運転時間の経過とともに脳活動が徐々に減少していった。計算課題に答えながら運転することによって運転パフォーマンスが低下した被験者では、その間に脳活動が変動し、増加・減少した。これに対して、計算課題による認知負荷の影響を受けなかった被験者では、その間も脳活動が単調に減少し続けた。 平成16年度の結果は、同時並行作業中の認知負荷の影響を脳活動の変化として計測できることをしめすものである。平成17年度は、異なった認知負荷課題を課して、近赤外線トポグラフィシステムによる計測をさらにすすめるとともに、脳磁図計測システムを使用して、認知負荷の情報処理に対応する脳内部位を推定することをめざす。
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Research Products
(3 results)