2006 Fiscal Year Annual Research Report
記憶と情動の関係における海馬-扁桃体-前頭前野回路機能の研究
Project/Area Number |
16530484
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST) |
Principal Investigator |
瀧田 正寿 独立行政法人産業技術総合研究所, 人間福祉医工学研究部門, 主任研究員 (40344204)
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Keywords | 学習 / 記憶 / 情動 / 海馬 / 扁桃体 / 前頭前野 / 神経可塑性 |
Research Abstract |
ラットの作業記憶と情動記憶における、海馬、扁桃体、前頭前野間の連絡の役割を比較することが研究目的である。海馬-扁桃体、海馬-前頭前野、扁桃体-前頭前野の繊維連絡は主に同側性であり、神経細胞特異的な損傷を示すイボテン酸を脳半球非対称性に注入する時、非損傷側に残るもう一方が各々の脳領域機能を行動上補償し、領域間の機能的連絡は遮断される。この操作が遅延選択反応と条件性恐怖反応へ及ぶ効果を明らかにし、引き続き、両側の海馬、扁桃体、前頭前野を対象に、領域の個別損傷の効果を明らかにして、機能的連絡と領域機能の関係を解析する。そして、遅延選択反応と条件性恐怖反応に伴う海馬-扁桃体間、海馬-前頭前野間、扁桃体-前頭前野間神経回路の伝達効率の調節を、一領域の電気刺激に応答する他領域の神経活動反応より明らかにする計画である。 成体の雄性ラットを用い、(遅延選択課題・恐怖条件づけ課題)x(海馬-扁桃体路・海馬-前頭前野路・扁桃体-前頭前野路+各両側部位)x(損傷群・偽手術群+電気生理実験)を対象として段階的に実験を実施した。学習・記憶と情動の間の関連性を解析するため、寡動性を行動指標として条件付け恐怖の解析を行い前頭前野(頭蓋のブレグマ縫合を基準に前方3.2mm、横0.8mm、深さ3,5mm)の神経伝達機能を同時計測した。対照群との比較より、この領域が認知行動と情動への二重調節を担うことが示唆された。現在、恐怖条件付けの結果部分は英文校閲を経て投稿準備である。また、電気生理部分の研究成果については、一報が論文となり、一報は印刷中であり、他の一報は英文校閲を経て投稿準備である。
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Research Products
(5 results)