2005 Fiscal Year Annual Research Report
大学・短期大学の地域社会連携と社会貢献事例の実践構造に関する理論的実証的研究
Project/Area Number |
16530485
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
姉崎 洋一 北海道大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (80128636)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 純 北海道大学, 高等教育機能開発総合センター, 教授 (90153212)
光本 滋 北海道大学, 大学院・教育学研究科, 助手 (10333585)
千葉 悦子 福島大学, 行政社会学類, 教授 (30217244)
細井 克彦 大阪市立大学, 大学院・部文学研究科, 教授 (00117970)
山本 健慈 和歌山大学, 生涯学習教育研究センター, 教授 (90112101)
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Keywords | 大学の地域密着型地域貢献 / 職業人再研修 / 大学と地域生涯学習連携 / 高大連携 / 大学の第三の機能 / コンソーシアム / 地域共同学習 / 知識転移 |
Research Abstract |
本研究は、課題「大学・短期大学の地域社会連携と社会貢献事例の実践構造に関する理論的実証的研究」に対して、事例調査をする上で、事前に4つの仮説的事例類型を設定した。すなわち、(1)北海道地域=「地域密着ないし地域貢献型」事例、(2)東北・福島地域=「職業人再研修型」事例、(3)京都地域=「コンソーシアム型」事例、(4)和歌山地域=「大学と地域生涯学習連携型」事例、という内容である。その上で、4類型のそれぞれに固有な諸特徴や機能、社会的ミッションについて相互に自由な意見交換を行った。そこでは、共同研究を行う上での必要な情報の交流、研究方法や調査研究の目標について具体的な討議を行った。(=研究うち合わせ会議を3回開催) そして、4類型の事例の実際について、平成16-17年度において、各事例についての共同調査を行った。(1)については、北海道の北端に位置するオホーツク地域の大学調査を行った。コミュニティに立脚しながら困難な条件を逆手にとって大学の新しいありかたを拓く社会貢献実践について光をあてた。(2)については、学部段階での社会人受け入れとその再研修型実践について福島大学の事例をとりあげた。大学院段階の社会人受け入れや専門職大学院の研究に比して、学部学生段階の事例の継続的な研究蓄積は弱く、その意味で貴重な研究になった。(3)については、コンソーシアム京都の事例調査を行った。自治体(京都市)の支援のもとに、京都地域の国・公・私立大学間の連携・協働の多様な試みと成果は、この分野でのパイオニアであり、多くの示唆を与えていることが明確になった。(4)については、国立大学附設の生涯学習教育研究センターの果たしている役割の典型の一つとして和歌山大学を取り上げた。例えば、粉川高校と和歌山大学生涯学習教育研究センターとのパートナーシップ事業の発展によって、地域共同学習とも言うべき新たな学びの共同体が形成され、大学の役割、地域高校の発展方向、学習者の学びの質的変容などが、共に確認できるものであった。以上、4つの事例を総合し比較する視点からは、大学の第三の機能たる、社会貢献や知識転移についての、一定の成果ある方向が確認できたといえる。なお、以上の実証として研究報告書を作成し刊行した。
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Research Products
(5 results)