2004 Fiscal Year Annual Research Report
大都市生涯学習支援に向けての多元的協働行政システムに関する実証的研究
Project/Area Number |
16530494
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
長澤 成次 千葉大学, 教育学部, 教授 (50172523)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井山 竜平 静岡大学, 教育学部, 助教授 (30304702)
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Keywords | 大都市の生涯学習 / 協働行政システム / 社会教育 / NPO / 生涯学習センター / 公民館 / 指定管理者制度 / 学校教育との連携 |
Research Abstract |
平成16年度は、大都市生涯学習支援に向けての多元的協働行政システムに関する実証的研究を進めるにあたって大都市固有の生涯学習システムの実態と課題の解明を基本視点におき、首長部局および教育委員会サイドにおける関連データの収集と実態分析を行うため、以下のように大都市のいくつかを直接訪問した。また、今回の科学研究費申請の契機となった「大都市社会教育・研究と交流の集い」(平成16年9月)にも参加し、大都市社会教育関係者と共に研究課題を深めた。 (1)大阪市調査(平成16年6月) 大阪市立総合生涯学習センター・大阪ボランティア協会・大阪市教育委員会市民学習振興課・大阪市立中央図書館・大阪NPOプラザを訪問し、関係職員からの聴き取り調査と資料収集を行った。特に大阪ボランティア協会では、早瀬昇さん(理事・事務局長)からレクチャーを受け、生涯学習におけるNPOによる新たな公私協働型システムの可能性について重要な示唆をえることができた。大阪市では、296小学校に生涯学習ルームを設置。生涯学習推進員の配置、小学校区を基盤とした事業展開(はぐくみネット)を行い、学校教育との連携を重視。さらに社会教育主事(128名)司書(151名)の専門職集団の存在や、生涯学習センター・ターミナルに配置された市民学習センター・生涯学習ルームの三層構造をめざして生涯学習システムの構築をめざしていることがわかった。 (2)神戸市調査(平成16年8月) コミスタ神戸(神戸市生涯学習支援センター)・神戸市教育委員会生涯学習課・神戸市立長田公民館・長田文化会館を訪問し、関係職員から聴き取り調査を行った。神戸市は全体としては地域施設で生涯学習を振興するというより、市民大学方式ないし市民カレッジ方式での生涯学習振興に力点があること、さらに地方自治法改正による指定管理者制度をうけてあらたな施設再編が予想された。なお、神戸市では埋蔵文化財センターを直営化(平成15年)し、また7公民館と生活文化会館(保健福祉局)との統合や172の地域福祉センターを空き教室を利用して中学校区に配置するなどの動きがみられた。 (3)福岡市調査(平成17年2月) 平成16年4月から143の小学校区公民館が区役所に移管されるなど大きな再編が行われた福岡市の室見公民館・有田公民館・弥永公民館・高取公民館の4公民館を訪問。職員から聴き取り調査を行った。
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